【サービス提供責任者】10の仕事内容を徹底解説!|訪問介護のお仕事

訪問介護

訪問介護事業所で重要な役割を担う、サービス提供責任者」
介護の業界では、「サ責(させき)」の呼称で有名ですね。

今回は、サービス提供責任者の具体的な仕事内容を10種類ご紹介します。
ヘルパーがキャリアアップを目指すうえで人気の職種ですので、ぜひ参考にしてください。

サービス提供責任者の役割

サービス提供責任者

はじめに、サービス提供責任者の役割を確認しましょう。

サービス提供責任者とは、訪問介護の利用者様やそのご家族、ケアマネジャーなどの介護事業者のつなぎ役となり、適切な介護サービスを提供するよう調整する役職です。

介護福祉士など、一定の条件をクリアした人が担うことのできる専門職です。

サービス提供責任者の名称の通り、事業所で適切な訪問介護サービスが提供されるようマネジメントする責任者の役割を務めます。

サービス提供責任者の仕事内容

サービス提供責任者

次に、サービス提供責任者の仕事内容を確認しましょう。

実務に沿った具体的な業務内容を、10種類ご紹介します。

①利用申し込み窓口

1つ目の仕事内容は、訪問介護サービスの利用を検討される方の窓口業務です。

サービス利用を検討されているご本人やご家族、担当のケアマネジャーなどからのお問い合わせを受け、対応します。
利用開始にあたっては、利用者様やご家族の状況、ニーズを正確に把握し、自社での対応可否の検証が必要です。

また、訪問介護サービスは介護保険法で定められたルールに則って提供されるもの。
利用者様などに対してご理解を深めていただくようご説明するのも、サービス提供責任者の業務です。

②利用者様やご家族へのアセスメント・相談窓口

サービス利用が決定したら、利用者様やご家族の状況をアセスメントします。

利用者様の既往歴や服薬状況などの医療的な内容はもちろんのこと、住環境や日常的な過ごし方もヒアリングします。
ヘルパーから調理サービスを提供する場合は食べ物の好みをうかがっておくなど、生活にかかわる細やかな点も重要です。

また、実際にサービス提供を開始した後も、サービス提供責任者が問い合わせ窓口を務めます。

利用者様やご家族をよく理解し、適切なサービスが提供されるよう、密な関係性づくりが求められます。

③他のサービス提供事業者との連携

利用者様やご家族だけでなく、ケアマネジャーやその他の介護サービス事業者との連携を図るのも、サービス提供責任者の仕事のひとつです。

よく言われるとおり、介護の基本はチームケアです。

多職種が協力することで、利用者様にとって最適なケアを提供できます。

サービス提供責任者は事業者間の調整役として、訪問サービス利用中のご様子を他事業所に共有したり、提供された情報を自事業所内に伝達したりします。

他業種が合同で利用者様のサービス方針を検討する「サービス担当者会議」にも、サービス提供責任者が出席します。

④訪問介護計画書の作成

サービス提供責任者は、利用者様ごとに「訪問介護計画書」を作成します。

訪問介護計画書とは、ケアマネジャーが作成する「ケアプラン」に応じて作る、訪問介護サービスの計画書です。
訪問介護計画書に記載された内容をもとに、サービスが提供されます。

利用者様にあった計画書を作成するだけでなく、ご本人やご家族に説明し、同意を得る必要があります。

⑤サービス提供手順書の作成

訪問介護計画書とあわせて、「サービス提供手順書」を作成します。

サービス提供手順書は、訪問するヘルパーに向けて作成する書類です。

訪問介護計画書で記されたサービス内容を実施するため、実際にどのような手順で何を行うかなどを細やかに記載します。
サービス内容や所要時間の目安、留意点などを書き込むことで、どのヘルパーが訪問してもサービスの質を均一に保つことができます。

利用者様の状況や自宅環境、提供サービスの詳細を理解しているからこそ作成できる、重要な書類です。

⑥ヘルパーのシフト調整

訪問するヘルパーのシフト調整を行うのも、サービス提供責任者のお仕事です。

利用者様ごとに、サービス提供を受ける曜日や時間帯、サービス内容が決まっています。
また、サービスを提供するヘルパー側にも、稼働できる時間帯や地域、対応できるサービス内容が異なるものです。

両者の事情を把握し、どの利用者様に、どのヘルパーがいつ訪問するのかを調整するのが、サービス提供責任者の業務内容です。

当日の急なシフト調整なども必要になるため、日ごろから利用者様やヘルパーの状況を把握しておく必要があります。

⑦ヘルパーの育成・指導

サービス提供責任者は、ヘルパーの育成や指導も担当します。

例えば新規の利用者様宅を訪問する際は、ヘルパーに同行して提供サービスを指導・レクチャーします。
利用者様ごとに生活環境や趣向、提供上の留意点が異なるため、サービス提供責任者からしっかり指導することが大切です。

そのほか、ヘルパーが訪問時に直面した困りごとをヒアリングして改善策を講じたり、他のヘルパーにも注意喚起をしたりするのも、育成・指導の範疇です。

訪問サービスが適切に提供されるよう、ヘルパーと良好な関係を築き、サービスの質向上に努めます。

⑧訪問介護サービスのモニタリング

訪問介護計画書に定められた期間ごとに、利用者宅を訪問してモニタリングを行います。

利用者様の状況に変化がないか、サービスが適切に提供されているか、今後どのような方針でサービスを提供していくかなどを確認・検討するのです。

訪問介護は、「アセスメント→計画→実施→モニタリング→計画…」とPDCAを回して提供されます。
定期的なモニタリングは、今後のサービス方針を決定する上での重要な仕事といえるでしょう。

⑨訪問介護サービスの提供

調整業務の多いサービス提供責任者ですが、自らがヘルパー業務を担当する場合もあります。

例えば、新規利用者様宅を訪問する際や、新人ヘルパーの訪問時に同行して、サービスを提供します。
また、予定していたヘルパーが急遽訪問できなくなったときの代理訪問もあり得ます。

計画書作成などの事務作業だけでなく、実際に訪問サービスを提供して体を動かす機会もあるのです。

⑩実績記録、請求業務

最後に、実績記録や請求業務についてご紹介します。

訪問介護事業所では、日々提供したサービスの実績を残します。
毎月利用者様ごとの実績を集計して、介護保険請求を行うのです。

請求業務などは、必ずしもサービス提供責任者が実施しなくてはならない業務ではありません。
ただし、実態としてサービス提供責任者が行う事業所が多いでしょう。

利用料金にかかわる重要な業務であるため、正確性が求められます。

サービス提供責任者は訪問介護の要!

サービス提供責任者の仕事内容を、具体的に10種類ご紹介しました。

事業所内外の関係者との調整役、提供するサービスの質を担保する責任者として、幅広い業務を担当しています。
まさに訪問介護事業所の要といえる役職です。

他者とのコミュニケーションが好きな方、細やかな気配りができる方にはぴったりの仕事です。
キャリアパスの選択肢として、ぜひ検討してください。

こちらもぜひお読みください⇒サービス提供責任者と管理者の違いとは?役割や資格要件を簡潔にご紹介!

投稿者プロフィール

古賀 清香
古賀 清香
神奈川県在住。Webライター。新卒で福祉企業に入社。ショートステイ、デイサービスで勤務したのち、デイ管理者や新規施設の立ち上げを担当。介護福祉士。2児のわんぱく男子を育てるフリーランスワーママ。

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