デイサービスとデイケアの違いは?利用目的や内容、料金について解説

居宅介護

デイサービスとデイケアは、どちらも要介護認定を受けた方が通う通所型サービスです。

しかし、デイサービスとデイケアは利用目的が異なるため、ケアマネージャーは利用者さんにどちらが相応しいかを判断し、サービスを選択します。

ケアマネージャーが、デイサービスとデイケアの違いやそれぞれの特徴を知っておくことは必要不可欠です。

今回は、デイサービスとデイケアの違いや、それぞれの利用目的や内容、料金などについて解説します。

ぜひ、参考にしてくださいね。

デイサービスとデイケアの違い

デイサービスとデイケアの違いを記したものが以下の表です。

 デイサービス(通所介護)デイケア(通所リハビリテーション)
利用目的・他者との交流による社会的孤立感の解消
・利用者の心身の機能維持
・利用者家族の負担軽減
利用者の心身機能の維持回復
実施内容必要な日常生活の世話及び機能訓練専門職によるリハビリテーション
利用対象者要介護1~5の方要支援1・2の方、要介護1~5の方
サービスを提供する施設指定なし病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院
医師の配置指定なし専任の常勤医師1名以上
リハビリを行う者の配置機能訓練指導員1名以上
※機能訓練指導員は、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士以外に、看護職員、柔道整復師、一定のあん摩マッサージ指圧師はり師またはきゅう師を含む
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
利用するにあたっての主治医の指示不要
利用料金要介護1:655円/回
要介護2:773円/回
要介護3:896円/回
要介護4:1,018円/回
要介護5:1,142円/回
※7時間以上8時間未満実施の場合
要介護1:757円/回
要介護2:897円/回
要介護3:1,039円/回
要介護4:1,206円/回
要介護5:1,369円/回
※7時間以上8時間未満実施の場合
要支援1:2,053円/月
要支援2:3,999円/月

デイサービスは日常生活支援、デイケアは心身の機能回復に重点を置いており、デイケアの方が医療的なサービスと言えます。

医療的なサービスである分、デイケアの方が利用料金も割高です。

デイサービスでも機能訓練は実施されますので、まずはデイサービスを利用してみるのもいいでしょう。

デイサービスとは?

厚生労働省の定義によると、デイサービスは「要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図るものでなければならない。」とされています。

食事やおやつの提供、入浴や機能訓練が受けられるのがデイサービスです。

栄養バランスのとれた食事の提供や入浴介助、歩行訓練やマッサージにより、身体機能の維持を図ることを目的とします。

さらに、他の参加者との交流や、様々なレクリエーションを通して認知機能の維持も期待できます。

デイサービスは、利用者さんご家族の負担軽減も大きな役割です。

「日中、家族が仕事で留守の間、お母さんを一人にしておくのは不安」

「夜間もトイレに起こされて大変。寝る間もなく介護してクタクタ」

という声をよく耳にします。

ご家族にとってデイサービスを利用することは、身体的にも精神的にも救いになっているのです。

デイサービスは通所介護と呼ばれ、要介護1~5の方を対象とします。

要支援1・2の方は、介護予防・生活支援サービスとして通所型サービスを受けることになります。

要支援1・2の方が、デイサービスに通いたい場合は、まずは地域包括支援センターに相談するといいでしょう。

あのデイサービスには、なぜ人が集まるのか

本書では、2022年デイサービス5選(日本デイサービス協会主催)受賞企業を含む、ユニークな取り組みをしている全国の15法人を紹介。

施設選びで失敗したくない人、事業者や求職者は必読です。

デイケアとは?

厚生労働省の定義によると、デイケアは「介護老人保健施設、病院、診療所その他厚生労働省令で定める施設で行う、居宅要介護者に対する、心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるための理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション」と定義されています。

デイケアでは、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ専門3職種がそれぞれの専門性に応じたリハビリテーションを提供します。

理学療法士であれば、筋力向上訓練や関節可動域訓練など、作業療法士であれば更衣や入浴、排せつといった日常生活訓練を行います。

言語聴覚士の場合、摂食嚥下機能訓練や言語機能訓練などです。

デイケアでは、医師の診察内容や運動機能の検査結果などから、利用者さんごとに通所リハビリテーション計画書を作成しなければなりません。

利用者さんの到達目標を設定し、適切に運動機能の評価を行いながら、リハビリを行うことが求められています。

デイケアは、通所リハビリテーションとも呼ばれ、要支援1・2の方、要介護1~5の方を対象にしています。

要支援の方も対象にしているところが、デイサービスと異なる点です。

デイサービスとデイケアの選び方は?

デイサービスとデイケアの違いや特徴についてお話しましたが、どちらを選んだらよいのか迷いますよね。

利用者さんやご家族の希望を取り入れるのも大事ですが、ケアマネージャーとして、どちらが相応しいか根拠を持って提案できるようにしましょう。

デイサービスがおススメな場合

食事や入浴など日常生活支援をメインにしたい場合、デイサービスがおススメです。

要介護認定を受けている方で大きな問題となっているのが入浴問題。

「自宅の浴槽が深く、一人で入るのが危険」

「家族だけでは入浴介助ができない」

など、在宅生活において安全に入浴できるかが大きな問題となっています。

安心安全な入浴を目的にデイサービスを利用する方が大変多いです。

認知症の方や自宅に閉じこもりがちな方にも、デイサービスはおススメです。

たくさんの方と交流することで脳の活性化につながりますし、何よりデイサービスはレクリエーションが豊富です。

絵を描いたり手芸をしたり、折り紙を折ったり。

お正月や節分、ひな祭りや端午の節句、クリスマスなどの行事やお誕生日会など、イベントも盛んです。

担当している利用者さんの中には、行事食を楽しみにされている方や、お誕生日会で撮ってもらった写真を大切に飾っておられる方もいます。

みんなで笑って楽しい時間を過ごすことで認知機能の維持向上につながります。

デイケアがおススメな場合

デイケアは、退院後まだ間もなく状態が安定していない方、脳梗塞後遺症や神経難病により専門的なリハビリテーションが必要な方におススメです。

骨折などの整形疾患で、在宅に戻った後もリハビリを継続した方がよいと医師に勧められた方などもデイケアを利用すべきでしょう。

在宅において、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ専門職のリハビリを受けるには「通所型」か「訪問型」を選ぶことになります。

大勢の人が集まる場所は苦手だという方は「訪問型」を、閉じこもり予防の目的も兼ねて利用される方は「通所型」を選ぶことが多く、利用者さんに合った方を選択しましょう。

また、デイサービスとデイケアは併用することも可能ですよ。

まとめ:デイサービスとデイケア、利用者さんに合った方を選びましょう

デイサービスとデイケアは、そもそも利用目的が違うため、利用者さんの状態からどちらが相応しいかを判断して提案する必要があります。

デイケアの方が圧倒的に少ないため、デイケアが望ましくてもデイサービスしか利用できない場合もあるでしょう。

さらに、経済的な問題で、デイケアよりも単価の低いデイサービスの利用を勧めた方がよい場合もあります。

総合的に判断して、どちらの介護サービスを利用するべきか、根拠をもってケアプランを提案できるようになりたいですね。

投稿者プロフィール

ゆ か
ゆ か
看護師・保健師としての経験後、現在は高齢者のケアマネジメント業務に奮闘中。ベビーから高齢者の方まで幅広く関わっています。

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