訪問看護の服装でおすすめは?注意点と実例を紹介します

訪問看護

在宅医療が注目され、訪問看護の需要が高まっています。
現在医療機関にお勤めの看護師さんの中にも在宅医療や訪問看護が気になっている方もいらっしゃるかも知れません。

医療機関とは違い、訪問看護はご利用者様の自宅や生活の場所に出向いてサービスを提供します。
病院では当たり前だった白衣やユニフォームも、訪問看護では敬遠されることがあるのをご存知でしょうか。

実際白衣で訪問する事業所は多くありませんし、訪問時の服装をできるだけ私服感が出るようにとスタッフに委ねているステーションもあります。

今回は、初めて訪問看護に携わる方や訪問看護に興味がある方に、訪問時の服装についてお伝えします。実際の訪問の場面で起こった実例も交えながらお伝えしますので、参考にしてみてください。

訪問看護の服装でおすすめは?清潔感がありキチンと感が出せるもの

訪問看護の服装でおすすめなのは「ある程度キチンと感が出せる」服装です。
ポロシャツを着用することが多いのですが、それぞれのステーションで決められたユニフォームがある場合と個人で用意する場合があります。事業所にもよりますが、個人で用意した服を着用する場合、服装手当がでる事業所もあります。

ポロシャツ

ポロシャツをユニフォームにしている事業所が多いのではないでしょうか。
素材や色は事業所によりさまざまですが、指定のない場合は襟付きのポロシャツを選んでおけば安心です。

シャツ

介護スタッフ用品に多い襟付きのシャツを取り入れている事業所もあります。素材はいろいろですが、ポロシャツに比べ、よりキチンと感が出したい場合はシャツがおすすめです。
ただしポロシャツよりもカジュアル感がなくなるので、ボトムとのバランスには注意が必要。シャツを着用する場合は、ボトムには明らかなジャージは避けたほうが無難です。

スクラブ

スクラブを着用している訪問看護師さんも見られるようになりました。
医療現場でも少しずつ増えてきているため、ご自分のスクラブをお持ちの方は訪問看護でも利用できるかも知れません。
ただ、絵柄が派手なものや強い色味のものは避けたほうが良いかも知れません。訪問看護をご利用いただく方は高齢の方が多いため、違和感を感じさせない配慮が必要です。

パンツ

事業所によって様々ですが、ジャージ着用可能な場合やチノパン指定の場合もあります。
ユニフォームがあったとしてもズボンは自前、という事業所も多いですね。素材は指定がなければある程度伸び縮みするものが便利です。

訪問看護の服装選び|色やデザイン

訪問着は落ち着いた色や明るい色味のもの、デザインはシンプルなものが安心です。

動きやすい

動きやすいシンプルなものが一番ラクです。訪問看護は移動に自転車や車の運転をする必要があります。狭い駐車場では乗り降りの際に無理な体制にならざるを得ない場合もありますし、自転車の場合は全速力で漕ぐ必要のある坂道もあります。動きやすい形で少しゆったりと着られるデザインのものが良いです。

汚れが目立たない色

訪問は1日数件、一度事業所を出たら一件ごとに事業所に戻ることができない場合が多いです。そのため、汚れてもすぐに着替えることが難しいのが現状ですから汚れが目立ちにくい、できれば汗ジミなども目立たない素材や色だとより安心です。

落ち着いた配色

ご利用者さまは高齢の方が多く、また、ご自宅に訪問するためにご近所の目を気にされる方もいらっしゃいますので、訪問着は落ち着いた華美でない色味のものが無難です。

訪問看護の服装選び| 手入れのしやすさ

毎日着用する訪問着は手入れが楽な素材であることが重要です。
できるだけ洗濯に耐えられる乾きの早い素材だとストレスなく使用できます。

ガンガン洗える

1日の訪問を終えると、汗や諸々の汚れが沢山付着しているものです。
また、訪問先のお宅によってはペット臭やタバコの煙を浴びることも。
ガンガン洗える丈夫な素材で、できれば乾燥機も使えるものにしておくといざというときに便利です。

シワになりにくい

訪問先は医療機関とは違い、ベッドの配置が逆だったりベッドを利用せずに床のままの方もいらっしゃいます。訪問時はは立ち膝をついたり、時にはベッドに乗ってケアすることもありますし、自転車や車の乗り降りなども頻繁にありますのでシワにならない素材だと気にせずケアに集中できますよ。

型崩れしにくい

洗濯や乾燥機でも型くずれしないものがコスパよく使用できます。毎日洗濯するものですし、一時的に安価なものを選ぶより長持ちするしっかりとした素材のものを選ぶほうが、お得なことも。

気兼ねなく汚せる

褥瘡ケアや入浴介助などで水滴が飛んだり、薬品がついてしまってもシミになりづらいものが安心です。撥水加工のものや汚れがつきにくい素材のものもあります。

訪問看護の服装選び|注意点

訪問看護の服装は他にも注意したほうが良い点があります。

靴下の色

靴下の色も黒やグレーなど地味なものだと永く使えます。
ご利用者様のご自宅は本当に様々で、いろいろなものが落ちていたりときにはお掃除が不十分なお宅もあります。本来は汚れが目立つ色が望ましいのですが、次のお宅に訪問することを考慮すると、できるだけ汚れが目立たない色のほうが望ましいかも知れません。

上着

訪問看護師は夏の暑いときにも雪の降る日も訪問しなければなりません。
多くの場合は半袖のユニフォームを着用しますので、夏はUVカットの薄手の上着やアームカバー、冬は中にヒートテックを着たり温かい上着を用意する必要があります。上着の素材も、できればペットの毛やホコリが付きづらいもの、花粉症の方はカンタンに花粉が払い落とせるようなサラッとしたものが安心です。

パンツの裾

訪問看護では入浴介助をする機会があります。
その際にズボンの裾を捲くりあげる必要がありますし、入浴前後は自分の服装の心配よりもご利用者様の安全確保が第一ですので、カンタンに裾を捲くる&おろせるものだと便利です。
また、裾をめくったときにカンタンにずり落ちないものだとより便利です。

【番外編】訪問看護の服装選び| あれば便利な小物

番外編としてあると便利な小物をご紹介します。

スリッパやルームシューズ

あんなものやこんなものが落ちている(かも知れない)ご利用者さまのお宅。
訪問時にはスリッパなどがあると本当に安心です。

グンゼ おうちスリッポン

メッシュ素材で快適な、軽量スリッポンです。
訪問先でのスリッパ代わりとして在宅介護サービス従事者に大人気。
底面は防水仕様ですべりにくい素材となっており、洗ってもすぐ乾くのが特徴です。

衣類用コロコロ

粘着テープの付いたコロコロもペットやホコリ対策に必要です。
ご利用者さまの中には動物アレルギーの方もいらっしゃいますので、次の訪問先には前のお宅のものをできるだけ持ち込まないようにする配慮が必要です。

消臭スプレー

こちらもタバコのニオイ対策などに必要です。
また、事業所によっては移動者の中で昼食を摂る場合もありますので、意外と食べ物のニオイ対策にも有効だったりします。

訪問看護の服装選び|ご利用者様の声

実際にご利用者様から服装に関する厳しいご意見をいただくこともあります。
地域柄やお宅毎の考え方によって様々ですので、参考程度にご覧いただければと思います。

「襟のないお洋服」

事業所指定のユニフォームがスクラブだった際、大きなお屋敷のようなお宅に初回訪問したときにいただいたご意見です。
お話してご理解いただくことはできましたが、訪問看護の服装にもいろいろなご意見があることを初めて知りました。

「白衣で来ないで」

こちらはご近所の目を気にされるお宅でいただいたご意見です。
自宅に病人がいることをできるだけ知られたくないとのことで白衣で来ないでほしいというご要望でした。訪問看護の事業所では白衣で訪問することは少ないように思いますが、ご利用者さまの生活の場にお邪魔するのだということを改めて感じましたね。

訪問看護の服装は清潔感とキチンと感が大事

訪問看護の服装は、清潔感とある程度のキチンと感が大切です。
加えて、自分自身が楽に着用できてケアに集中できること、ストレスなく手入れができることも考慮していただくと良いと思います。

とはいえ、事業所で決められたユニフォームの場合は色やデザインを選ぶことはできませんが、どうしても好みではない場合は上着でなんとか誤魔化すこともできます。
訪問看護の際は、生活の場に伺うという意識と限られたスペースのケアになることを考慮して、ご利用者様にとっても自分にとっても快適な服装で活躍できると良いですね。

投稿者プロフィール

くにさだ
くにさだ
ライター/看護師
医療機関、訪問看護、企業看護師など様々な看護を経験。
看護師の観察力とクレーム対応で鍛えたコミュニケーション力を武器に取材&コピーライターとして活動中。

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