介護記録は、毎日当たり前に残していると思いますが、法律的な意味や目的を理解していますか?介護記録は、介護保険法で記入と保存を定められており、介護事業所において非常に重要なものです。
この記事では、介護記録の法律的な面も含めた意味と目的を5つに絞ってお伝えします。記入の際に注意することなども併せて紹介しています。ぜひ、毎日の記録に役立ててください。
介護記録は法律的に必要

早速、介護記録の法律的な面を見ていきましょう。
介護サービス内容の記録・保管
まず、介護サービスの報酬は国の財源から支払われる、公的サービスです。そのため、実施したサービスについて正しく報酬を支払うための根拠として、サービス実施の記録と、その記録の一定期間の保管が法律上で義務付けられています。適切に記録・保管していなければ、報酬を得られないどころか、指定取り消しなどのリスクにもつながります。
記録はペーパーレス・印鑑レスも可能に
もともと、紙で記録し、利用者に確認印を押してもらい、その記録用紙を保管するというのが一般的でした。
しかし、ペーパーレス・印鑑レスが進んだ昨今、介護業界の記録についても、一般化してきています。
スマートフォンやタブレットでの記録、電子データの保管を国としても推奨し、システムを利用した記録方法の導入が多くの事業所で進んでいます。
それに伴い、確認印について不安を感じる方が多かったのですが、実はもともと、法律上で「確認印をもらうこと」が義務付けられてはいないのです。「サービス実施の内容について利用者に確認それに伴い、確認印について不安を感じる方が多かったのですが、実はもともと、法律上で「確認印をもらうこと」が義務付けられてはいないのです。
事業所として必ず行わなければならないのは「記録を作成すること」と、利用者から「申し出が合った場合に提供すること」です。
日本の印鑑文化は、介護記録のペーパーレス化を遅らせたひとつの要因でもあります。これまで行っていたものを突然なくすということ、印鑑欄があるのに押さないということに不安を感じるかもしれませんが、そもそもこれは義務ではないということを今一度理解しておきましょう。
介護記録の5つの意味と目的
ここからは、介護記録の法律的な面以外の意味と目的についてみていきましょう。介護記録をつけることでどのようなメリットがあるのか理解することで、記録に向き合う気持ちもきっと変わってくるはずです。
チームスタッフ間の情報の共有
介護サービスは多くの職員が交代で行います。職員は、ケアの意味や目的、利用者の変化について、共通認識を持つ必要があります。
しかし、利用者一人ひとりの細かな変化に応じたサービス内容を、口頭でスタッフ全員が正しく把握するのは困難です。
介護記録は、スタッフ同士が顔を合わせなくても、利用者に関する情報を、正確に、共有することが可能です。
多職種への情報提供と連携の円滑化
介護はチームプレイです。そのチームの中には自事業所以外、また、介護職以外の人達の関わりも多くあります。
家族はもちろんのこと、医者や看護師などの医療スタッフ、リハビリや福祉用具の専門職、他の介護サービス事業所、民生委員さんなどの近隣の地域の方々、ケアマネージャーなどです。
ひとりの利用者に対し、これらの人たちが一丸となって専門的支援を行います。そのためには、情報の共有が欠かせません。
利用者に関する情報やニーズ、健康上の問題など、利用者が自立して暮らしていくために必要な情報を発信・共有して、全ての支援者が同じ視点で利用者に関わる意識を持つための役割を介護記録は果たします。
トラブル発生時の証拠として
介護記録は、介護者の対応について第三者に証明することができます。
何か事故やトラブルが起こった際、客観的な事実を正しく記すことが必要です。事故やケガは、後々訴訟へと発展する可能性もあります。トラブル発生時のスタッフの対応の事実を、記録に残しておくことは、家族や行政職員・警察の対応に不可欠です。場合によっては、事業所やスタッフを守る記録にもなります。
なぜ事故が起こったか、どうすれば防ぐことが出来たのか、同じ事故を繰り返さないためにはどうすればよいか、検討する際にも記録がとても重要です。
職員の資質の向上、育成・指導のツールとして
記録はOJT(オンジョブトレーニング)として有効です。新人教育などで利用者の観察すべき内容や援助内容を学ぶ機会として使うことができます。
また、介護や医療の専門用語について指導を受けることができます。書くこと・読むことによって介護が具体化し、可視化できるようになります。
介護記録に対し、苦手意識を持つスタッフも多いと思います。書き方のルールなど、共通認識を持つことで苦手意識をなくし、より良い記録・サービスの質向上につなげることができます。
ケアプラン作成の資料として
介護記録に記載された内容の多くは、ケアプランの長期・短期目標や、解決すべき課題の決定のための根拠として扱われ、ケアプランを作成するうえで重要な資料となります。
その日、その時間の記録ではありますが、その記録が次のケアプランに紐づきます。
介護記録を記入する際に気を付けること
たとえ、どんなに良いサービスを提供していても介護記録がなければその事実を証明することができません。記録だけが、その証明手段であるのです。
そのために気を付けるべきことは次の5点です。
介護記録は自分たちのチームだけが読み手ではありません。利用者本人やその家族、もちろん自分の事業所以外の行政関係者や介護関係者が見る事を十分に意識して記入していきましょう。

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音声入力や、漢字変換ができるため、記録時間を短縮することができ、よく使う申し送りの文章などは、あらかじめテンプレートを登録しておくことができます。
何を書けばいいかわからない、いつも同じ内容になってしまうなど、介護記録に課題を感じているスタッフも、きっと負担が軽減するはず。
月のサービス件数によって価格が決まるので、システム導入のハードルも低く、まずは介護記録からシステム化したいと考えている事業所様にぴったりです。
スマホで介護記録の提出が完了するので、直行直帰も可能になり、スタッフの満足度UPにも役立ちますよ。
訪問介護事業所の管理者は、事業所の安定運営とスタッフの定着が鍵といっても過言ではありません。システムの活用を積極的に進め、理想の事業所づくりをしていきましょう!
まとめ
介護記録は、利用者の様子や状態を適切に第三者に伝え、時には自事業所の職員を守るという役割を担っているのです。
しかし、介護の現場ではあまりの記録業務の多さに、ケアに人手が回らない、という本末転倒な事態に陥る事もあります。
記録をいかに効率化するかということも、人手不足の介護業界の喫緊の課題ではないでしょうか。
介護記録に係る業務に今一度目を向けてみませんか。
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介護・福祉の総合マーケットキャプスの管理者です。
介護事業所・介護に携わる皆様のお役立ち情報を発信しています。
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