ヘルパーがすぐ辞める!早期退職が多い理由と離職率を下げる事業所づくりとは

訪問介護

介護事業所の運営をしているとスタッフの「人員不足」の問題に当たることがあるのではないでしょうか。「せっかく採用したのに短期間で辞めてしまった」ということはありませんか。

安定した事業所運営のためには人材の確保と維持が重要です。人材の充足は利用者様の生活を支える上でも必要不可欠です。

この記事ではヘルパーがすぐ退職する理由、辞めないような事業所にする方法について解説します。

介護ヘルパーはすぐ辞める?その理由とは

介護職員の離職率は低下傾向ではありますが、産業系と比べるとやや高い水準となっています。離職者の73%が勤務年数3年未満であり、その半数は1年未満となっています。これが「すぐ辞める」といわれる所以です。

介護ヘルパーの辞職理由

第5位:自分の将来に見込みが立たなかった
第4位:収入が少なかったため
第3位:他に良い仕事・職場があったため
第2位:法人、施設、事業所の理念や運営方法に不満があったため
第1位:職場の人間関係に問題があったため

辞めたい人の多くは人間関係や職場環境、収入の低さを問題としています。

引用:厚生労働省資料

(公財)介護労働安定センター「平成25年度介護労働実態調査」https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000071241.pdf

すぐ辞める人の特徴とは

すぐ辞めてしまう人には以下の特徴があります。必ずしもあてはまる訳ではありませんが、このような傾向が見受けられます。

明確な目標がない

仕事を長期的な視点で考えず目先の判断で就職した人、目標を持っていない人です。嫌なことがあったり、過重な仕事を指示されるとすぐ気分を害したり、落ち込んだりすることがあるでしょう。

人とコミュニケーションを取るのが苦手

仕事の相手は高齢者がほとんどです。難聴や認知症がある場合が多く、理解してもらうにはその人に合わせたコミュニケーションをとる必要があります。コミュニケーションを取るのが苦手だと、高齢者、スタッフ間での意思疎通がうまくいかないことが続くと辞めたくなってしまいます。

仕事の責任を重く受け止めてしまう

責任を重く受け止めてしまう傾向の人です。「命を預かる」という責任の重さに耐えられなくなり退職してしまう場合があります。

体力がない

ヘルパーの仕事はベッドからの起居介助、車椅子への移乗、オムツ交換、入浴介助などがあるため体力が必要です。身体介護は腰への負担もあり、腰痛の原因となります。疲労が蓄積し生活に支障が及んでしまうこともあります。

ヘルパーがすぐ辞めるのは事業所側に問題がある場合も

ヘルパーがすぐに辞めてしまうのは事業所側に原因がある場合もあります。

新人教育体制ができていない

教育プログラム・システムがそもそもない、あってもうまく運用できていない場合です。常に人員不足だと知識や実技を十分に教える時間の確保が難しく、即戦力として現場で働かなければならないことがあります。

いじめやハラスメントがある

職場内でいじめ、ハラスメントがある場合です。ボス的な存在の言うことに逆らえない、自由に発言できない、先輩・上司のハラスメント言動がある場合です。

雇用条件が守られていない

時間外労働の賃金の不払いや、過労死ラインを超えるような残業があるなど雇用条件が守られていない場合です。

相談できる環境がない

入って間もない時は不安がつきものです。相談できる人や体制があるのは大きな支えとなります。誰に相談していいか分からない、相談できる体制がない場合は不安や不満がたまっていく可能性があります。

すぐ辞めない環境を作るには

ではすぐに辞めない環境にするにはどのような方法、対策が有効なのでしょうか。以下の点を考え環境作りをしていきましょう。

「自分の立ち位置」を認識してもらう

就職し間もないスタッフは「自分の立ち位置」に悩むことがあります。業務の中で「立ち位置」を認識できるよう働きかけます。具体的には出来ていること、良いことを「承認」し、今の役割を伝えるようにしましょう。業務の振り返りを行う中で良い点や改善点を伝えます。上司、管理者が承認し必要としていること、成長を期待していることを伝えるのはモチベーション維持に必要です。

いつでも相談できる雰囲気をつくる

就職時は「雰囲気に慣れる」ことで精一杯です。疑問や不安を表出しやすい雰囲気をつくりましょう。周囲は温かい声がけを行い、コミュニケーションを十分とるようにしましょう。「いつでも相談してね」と言われることは心強いものです。

教育体制の整備

入職時の研修プログラムを整えます。教育担当のスタッフやリーダーをメンバーとし内容を考えましょう。座学や実技などの研修を行い、定期的に振り返りを行います。その中で理解度や不明点、気づきを確認し、次回の振り返り時期までの目標設定も行うと良いでしょう。日々の業務ではケースカンファレンスも有効です。課題解決方法を考え、自分の意見を述べる、他のスタッフの意見を聞く機会を設けましょう。インプット、アウトプットの出来る場はスタッフの成長に欠かせません。

資格取得の支援

個人目標のサポートも勤務の継続には重要です。介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士の資格取得のサポートをしましょう。ヘルパーは仕事をしながらスキルアップすることができ、資格取得によりモチベーションアップにつながります。事業者側は質の高い人材を確保する事ができます。希望する人が受講しやすいように勤務体制を整え、利用できる給付金制度を説明するなど管理者は配慮しましょう。

タブレットなど機器の導入

利用者のケアを重視していると記録をする時間がないという問題が出てきます。

タブレットを導入することで移動時間や隙間時間での記録が可能となります。経過、観察ポイントを共有出来るため、業務の効率化につながるでしょう。職員の負担を減らすことも出来ます。

まとめ:ヘルパーがすぐに辞めない事業所にするには「働きやすい職場づくり」がカギ

ヘルパーがすぐ辞めないようにするには「働きやすい職場づくり」が重要です。

まずは何でも相談できる雰囲気づくりにつとめましょう。さらに教育体制の整備や資格取得支援も行うと良いでしょう。職員の利便性をはかるためにタブレットの導入も検討してみてはいかがでしょうか。ソフト面、ハード面を充実させ「働きやすい環境づくり」をめざしましょう。

この記事が、「ヘルパーがすぐに辞めない」事業所にするための参考になれば幸いです。

参考URL:

https://job.kiracare.jp/note/article/10556/

https://kyujin-kaigo.net/media/column/kaigo-yameru-cts30

https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/802

https://www.my-kaigo.com/pub/carers/risk/yamenai/0020.html

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