ヘルパーが取得すべき資格とキャリアアップの叶え方|介護業界で活躍しよう!

訪問介護

ヘルパーを目指す方、その後のキャリアアップを目指したい方にどのような資格があるのかをご存じでしょうか。

ヘルパーは資格なしでも働くことができます。しかし、高齢者のお世話をする大切な仕事であるため、未経験で知識やスキルがないまま仕事に就くのは不安な方も多いでしょう。

この記事では、ヘルパーが取得できる資格ヘルパーとして働きながらさらにスキルアップにつながる資格を解説します。

この記事を参考に、ヘルパーとしてキャリアアップを目指して活躍してください!

1.介護職員初任者研修 (ヘルパー2級)

介護職員初任者研修は、未経験からヘルパーを目指す方が必要な、介護の基礎的な知識やスキルを身に着けることができる資格です。

ヘルパー2級の資格と聞いた方がなじみのある方もいるかもしれません。ヘルパー2級は、2013年の介護保険法の改正により、同等の資格として介護職員初任者研修に変更されました。

介護職員初任者研修を取得すると、家事などの生活援助だけでなく「食事介助」「排泄介助」「入浴介助」といった身体介護ができるようになります。そのため、介護職員初任者研修を取得していなければ就職できない事業所もあります

介護保険サービスを受けている高齢者の方は、なんらかの身体介護の必要な方がほとんどです。介護職員初任者研修は最初に取得をしておいた方が良いでしょう。

介護職員初任者研修の取得方法

介護職員初任者研修には条件がないため、誰でも受講可能です。

座学と実技を組み合わせた10項目のカリキュラムを受講し、試験に合格すれば資格が取得できます。

受講方法には通学と通信を組み合わせるか、全て通学で受講するかの2パターンがあります。実技と実習の課程は、必ず通学しなければ受講できません。

介護職員初任者研修の研修科目と研修時間数は以下の通りです。

  1. 職務の理解/6時間
  2. 介護における尊厳の保持・自立支援/9時間
  3. 介護の基本/6時間
  4. 介護・福祉サービスの理解と医療との連携/9時間
  5. 介護におけるコミュニケーション技術/6時間
  6. 老化の理解/6時間
  7. 認知症の理解/6時間
  8. 障害の理解/3時間
  9. ころとからだのしくみと生活支援技術/75時間
  10. .振り返り/4時間

合計130時間とは別に、1時間程度の筆記試験による修了試験が実施されます。

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ホームヘルパー2級との違い

もともとホームヘルパー2級の資格としてスタートした介護職員初任者研修。介護保険法の改正で訪問介護のヘルパーだけではなく、施設介護の職員としても活かせる資格に変更されました。

介護保険法改正後のホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の違いは以下の通りです。

  1. 施設実習の廃止
  2. スクーリング時間が増えた
  3. 研修内容に「認知症の理解」が追加された
  4. 筆記試験の導入

ホームヘルパー2級の資格取得には、30時間の施設実習が必須でした。施設実習が廃止された代わりに、実際に通学して学ぶスクーリング時間が90時間に増えています

研修の内容には、増加傾向にある認知症患者に対応すべく「認知症の理解」が追加されています。全過程終了後に筆記試験による評価が導入されたのも大きな変更点です。

2.実務者研修(ヘルパー1級)

介護職員初任者研修の上位資格にあたるのが実務者研修です。ホームヘルパー2級と同じように、ホームヘルパー1級も実務者研修に変更されました。

実務者研修は、実務経験を積んでから介護福祉士資格を受験する場合に必要になる資格です。

初任者研修よりさらに専門的な知識を学びますが、初任者研修を取得せず初めから実務者研修を取得するのも可能です。

ただし、初任者研修に比べやや経験者向けの内容になっています。

実務者研修の取得方法

実務者研修は介護職員初任者研修と同じように、介護の経験がない人でもどなたでも受講できます。

実務者研修の内容は20科目450時間のカリキュラムです。すでに介護職員初任者研修を修了している方は、介護職員初任者研修で学んだ130時間分は免除になります。

  1. 人間の尊厳と自立/5時間
  2. 社会の理解Ⅰ/5時間
  3. 社会の理解Ⅱ/30時間
  4. 介護の基本Ⅰ/10時間
  5. 介護の基本Ⅱ/20時間
  6. コミュニケーション技術/20時間
  7. 生活支援技術Ⅰ/20時間
  8. 生活支援技術Ⅱ 30時間
  9. 介護過程Ⅰ/20時間
  10. 介護過程Ⅱ25時間
  11. 介護過程Ⅲ(スクーリング)/45時間
  12. 発達と老化の理解Ⅰ/10時間
  13. 発達と老化の理解Ⅱ/20時間
  14. 認知症の理解Ⅰ/10時間
  15. 認知症の理解Ⅱ/20時間
  16. 障害の理解Ⅰ/10時間
  17. 障害の理解Ⅱ/20時間
  18. こころとからだのしくみⅠ/20時間
  19. こころとからだのしくみⅡ/60時間
  20. 医療的ケア/50時間(別に演習を修了する必要あり)

実務者研修は修了試験が義務付けられていません

ホームヘルパー1級との違い

介護保険法改正後のホームヘルパー1級と実務者研修の違いは以下の通りです。

  • 医療的ケアの追加
  • 介護過程Ⅲの追加
  • 介護福祉士資格の受験要件になった

実務者研修では、医療的ケアのカリキュラムが追加になったため、研修を修了した方は喀痰吸引や経管栄養が行えるようになりました。

また、介護福祉士資格の受験要件になったのも大きな違いの一つです。介護現場で実務経験を積んでから介護福祉士試験を受験する場合は実務経験3年に加え、実務者研修の取得が必須になりました。

3.介護福祉士

キャリアアップをかなえるなら、介護職における唯一の国家資格である介護福祉士資格の取得を目指しましょう。実務経験を積んでから受験する方や、養成学校を卒業し資格を取得する方がいます。

介護福祉士の取得方法

介護福祉士の資格を取得する場合、介護ヘルパーとして働きながら国家試験を受けるのであれば3年間の実務経験を積むことにより受験資格が得られます。前述した通り、実務経験で受験する場合は実務者研修の取得が必須です。

他にも学校に通って資格を取得する「養成施設ルート」や「福祉系高校ルート」、外国籍の方を対象にした「EPAルート」があります。

介護福祉士国家試験の受験資格となる実務経験は、介護業務を主とする職種でなければなりません。「介護職員」「訪問介護員」「看護補助者」などが対象であり、相談業務などは対象にならないため注意が必要です。

実務経験には「従事期間3年以上」と「従事日数540日以上」が必要です。職場に実務経験証明書を発行してもらう必要があるので、早めに確認しておきましょう。

介護福祉士試験は毎年1月に筆記試験3月に実技試験が実施されています。

筆記試験の内容は以下の通りです。

  1. 人間の尊厳と自立
  2. 人間関係とコミュニケーション
  3. 社会の理解
  4. 介護の基本
  5. コミュニケーション技術
  6. 生活支援技術
  7. 介護過程
  8. こころとからだのしくみ
  9. 発達と老化の理解
  10. 認知症の理解
  11. 障害の理解
  12. 医療的ケア
  13. 総合問題

筆記試験の問題数は125問。出題は5肢選択形式で出題されます。

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さらにスキルアップできる資格もある

介護職としさらにスキルアップしたい場合、他にも以下のような資格・研修があります。

  • 認定介護福祉士
  • 喀痰吸引等研修
  • レクリエーション介護士2級・1級
  • 介護予防運動指導者
  • 福祉用具専門相談員
  • 認知症介護実践者(実践リーダー)研修
  • 同行援護従業者養成研修
  • 行動援護従業者養成研修
  • 移動介護従事者/ガイドヘルパー
  • 難病患者等ホームヘルパー
  • 重度訪問介護従事者
  • 終末期ケア専門士

さまざまな資格・研修制度でより専門性を高め、幅広い知識を身につけて活躍できます。

ヘルパーが資格取得するメリット

ヘルパーの資格取得のメリットは以下の通りです。

  • 給料がアップする
  • 転職がしやすくなる
  • キャリアアップも目指せる

職場によっては、資格の取得により給料のアップが期待できます。とくに、介護福祉士資格の手当を支給している職場は多くあります。介護福祉士資格を取得すれば、よりよい条件の職場に転職のチャンスもあるでしょう。

また、介護の業界は女性でもキャリアアップが目指せる職場です。数多くの女性がリーダー職などに就き活躍しています。

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キャリアアップを目指して活躍しよう!

今回の記事では、ヘルパーが取得できる資格について解説しました。

もともと、介護業界は人手不足のため職場探しには困らない職種です。ライフスタイルに合った働き方ができるため、幅広い年代の方が活躍できます。

将来的にはケアマネジャーや施設長などを目指す方も多いでしょう。

資格を取得することでさらにキャリアアップし、チャンスをつかんでくださいね!

投稿者プロフィール

tomo
tomo
特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、居宅介護支援事業所での勤務経験。
介護福祉士、介護支援専門員の資格を活かし、高齢者やその家族、介護現場で働く方々のお役に立てる情報をウェブメディアなどで執筆中。

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