「ヘルパー2級の資格でできることってなんだろう?」
「資格不問って求人が多いけど資格を取ったらどんな有利なことがあるの?」
資格を取ることは時間も費用も労力もかかりますよね。併せて不安や疑問も多いことかと思います。
また、過去にヘルパー2級を取っていたけれどこれから介護の仕事に就こうとを考えている方もいるかもしれません。
ヘルパー2級の資格が、今後どのように役に立ってくれるのか。
今回の記事ではホームヘルパー2級(介護職員初任者研修)でできること・できないこと、活躍できる就職先、お給料についても解説していきます。
これからのキャリアにぜひ役立ててください!
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)の資格とは?
ヘルパー2級は正式名称を『訪問介護員2級研修課程』といい、訪問介護にたずさわる介護職の入門的な研修でした。2013年度にヘルパー2級は廃止され、現在の「介護職員初任者研修」へと変更されました。
でも、心配は無用です。2013年度までに取得したヘルパー2級の資格が無効になってしまったり、もう一度「介護職員初任者研修」資格を受け直す必要はありません。
今持っている資格を存分に発揮してキャリアアップしていくことができます。
ヘルパー2級の資格で出来ること・出来ないこと
ヘルパー2級と初任者研修は同等の資格としてみなされますので、この2つの資格内では、できること・できないことは同じです。
以下、ヘルパー2級(介護職員初任者研修)でどんなことが出来るのか見ていきましょう。
ヘルパー2級でできること
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)を修了すると、身体介護の業務が行えるようになります。
身体介護
身体介護は、利用者の身体に直接触れて行う介助のことです。
- 食事介助
- 排泄介助
- 入浴介助(オムツ交換含む)
- 清拭介助
- 更衣介助
- 身体整容(洗顔・整髪・爪切り・髭剃りなど)
- 移動介助・移乗介助
- 体位変換
- 服薬介助
上記は一例です。細かなものを含めるともっと多岐にわたります。
身体介護は、ヘルパー2級以上の有資格者でなければ提供できません。
生活援助
生活援助に関しては、業務における資格制限は設けられていません。
生活援助とは、利用者本人の調理や洗濯など日常生活をサポートするサービスです。
家事を行えない利用者に代わって、買い物やゴミ出し・ベッドメイキング・納税代行(公共サービスや役所への申請、選挙の代行も可能)・調剤薬局や病院で薬を受け取るなどの行為を行います。
詳細は各自治体ごとのルールにより異なりますので、就業する事業所に確認してください。
利用者のQOLや意欲向上を目的として、自立支援及び重度化防止のためにサービスを行ったり、専門知識や技術で利用者の日常生活上・社会生活上のためにサービスを行うことは、やはりヘルパー2級(介護職員初任者研修)以上の知識や経験が必要となるでしょう。
その上、有資格者であることにより、事業所内で任される業務の幅が増えることも想定され、やりがいや楽しさ、面白さはもちろん、収入もアップしていきますよ。
ヘルパー2級でできないこと
では、ヘルパー2級(介護職員初任者研修)を取得していれば介護に関わるあらゆる業務ができるのかというと、残念ながらそうではありません。
具体的には、利用者に介護サービスを適切に提供するための責任者となる「サービス利用責任者」や、相談・連絡窓口の役割を担う「生活相談員」、そして介護サービスを利用する利用者の一人ひとりに沿ったケアプランを作成する「ケアマネージャー」などは、更に資格や要件が必要になります。
まずは、ヘルパー2級(介護職員初任者研修)の資格からキャリアを積んでいきましょう。
ヘルパー2級の資格で働ける場所は?
ホームヘルパー2級(介護職員初任者研修)を保有していると、様々な職場で勤務することが可能になります。
訪問介護事業所
訪問介護事務所に所属し、在宅ヘルパーとして勤務することができます。
訪問介護は、施設と違って直接利用者宅へ訪問してケアを提供します。
介護施設等
デイサービスや老人ホームなどの介護施設で、施設職員として勤務することができます。
施設で勤務する場合は、他の介護職員と一緒にチームで複数名の利用者に対してケアを行います。
デイサービスは日勤のみとなりますが、利用者が居住している施設には夜勤業務があります。
チームで介護を行う職場では、同じ資格でも施設の種類によって業務内容も変わります。
医療機関等
病院や診療所のような医療機関に所属し、医師や看護師などの医療従事者の指示のもとで介護サービスを提供します。
院内ヘルパーや看護助手と呼ばれています。
患者さんの身の回りのお世話や環境整備、院内を移動する際の付き添いなどが主な業務です。
ヘルパー2級の人の勤務スタイルは?
介護職はシフト制勤務を取っているところがほとんどです。
シフト制勤務というのは、働く曜日や時間帯を同じ職場の従業員と交代で勤務する働き方を指します。
シフト制には、仕事とプライベートの両立がしやすいというメリットがあります。
通常、常勤職員の場合は週40時間勤務となっている場合が多いようです。
勤務形態も正社員に限らずパートやアルバイトなどがあるため、自分のライフスタイルに合わせて選ぶことができます。
特別養護老人ホームなどの入所施設では、夜勤や早朝勤務などがあり、 時間帯によっては、時給やお給料がUPすることもあります。
デイサービスなどの営業時間が限られている事業所は、年末年始や日曜日にはしっかり休みたい、夜勤はできないといった人が固定された時間内で働くことができます。
訪問介護事業所は、フルタイムでなければ時間に融通が利くので自分の都合の良い時間帯で働くことができます。
例えば、登録ヘルパーは、訪問介護事業所に立ち寄ることなく、自宅からご利用者宅へ直行し、直帰することが多く、介護サービスを提供している時間が労働時間となります。
空いた時間を有効に使えるということで、家族の介護の合間や子どもが保育園や学校に行っている間に働いている人も多いです。
ただし、注意する点は移動時間が労働時間に含まれないということです。就職時に給料の計算方法についてしっかり確認しておきましょう。
実際に若い年齢ではフルで働き、結婚後はパートタイマー勤務に切り替え、長期的に資格を活かしながら収入を得ている女性も少なくありません。
ちなみに、私も訪問介護のパートから仕事を始めました。まだ、子どもが小学生であったことや父の介護が必要であったことなどが理由でしたが、無理なく仕事を続けられて良かったと思います。
お給料の相場ってどれくらい?
ホームヘルパー2級(介護職員初任者研修)の人の平均給料(東京求人)は、正社員で平均年収252〜336万円、月収は18〜24万円程となっています。
他の介護職員(医療・福祉施設など)は夜勤手当などがついて若干多くなり、看護助手だともう少し下がるというところでしょうか。
夜勤手当や休日手当、実務経験ごとの手当、次のステップである実務者研修や介護福祉士になった際の資格手当などが用意されているところも多く、給与アップも見込みやすいといえます。
訪問介護事業所のアルバイトやパートは、「生活援助」に従事するのか「身体介護」に従事するのかによって時給が異なります。ホームヘルパー2級(介護職員初任者研修)の資格取得者だと、生活援助は1,200円〜1,400円程、身体介護は1,300円〜2,000円程となっています。
施設であれば、資格によって時間給が決められるので介助の種類によっての違いはありません。夜勤専従スタッフだと日給3万円の求人もありますよ。
思い出してみると、私が働き始めたころ(もう20年程前です!)のヘルパーの時給って700円より少なかったんじゃないでしょうか。でも、当時では珍しいことに、年末年始の特別手当や交通費・残業代(昔、介護の事業所は会議や研修が就業後に多かったんです)などが出ていたんですよ。
働く前に、交通費や残業代等の手当や研修などの勉強の機会の有無なども確認しましょう。
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)の取得方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
まとめ
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)は介護の資格の中でも初歩の資格ですが、高齢者が増えていることで、求人数も益々増加しています。
今後も需要は増えていくでしょう。
ヘルパー2級(介護職員初任者研修)の資格を活かして就職や転職を目指すことも十分に可能ですし、ステップアップ、キャリアアップとしても価値のある資格となります。
また、自分にとっても非常に役立つ資格です。介護力だけでなく、コミュニケーション力も上がります。
「あなたがいてくれて良かった」といわれる仕事、素敵ですよ。
投稿者プロフィール
- 介護福祉士・主任介護支援専門員・認知症ケア専門士・社会福祉士・衛生管理者・特別養護老人ホーム施設長・社会福祉法人本部長経験と、福祉業界で約25年勤務。現在は認知症グループホームでアドバイザー兼Webライター。
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