発達障がいやグレーの児のスケジュール管理に生活ボードがおすすめ

児童福祉

発達障がいや発達グレーの子供のスケジュール管理に困っていませんか?

時間割を見て持ち物の準備をするのが苦手だったり、そもそも先生に言われたことをメモするのを忘れていたり。
さらには時間通りに行動するのが苦手で、遅刻してしまうことも。
そんなとき、「○○しなさい」「どうして○○できないの」「明日の準備は済んだ?」と口頭で注意をしてしまっていませんか?
忘れ物や遅刻が多い子供は注意される機会も増え、子供の自己肯定感が下がってしまいます。

この記事では、発達障がいや発達グレーの子供のスケジュール管理をどのように行えば良いのか、おすすめのグッズも併せてご紹介します。

ホワイトボードのマグネットシールを確認することで、一日の予定、一週間の予定が視覚で分かります。
発達障がいには、視覚で見えないものを理解しにくかったり、見通しが立たないことに対して不安が強くなるといった特性のある子もいます。生活ボードを使用することで、視覚的に・見通しを立てて行動することができるようになります。

1日の流れは朝・昼・夜に分け、それぞれの時間帯で「やるべきこと」をイラストつきのマグネットシールで理解できます。
「まだ」⇒「できた」に自ら移動する楽しさと、達成感を味わうことができ、自分で準備ができるようになるのです。

「できた」ことが増えることで自信になります!

「日付・じゅんびするもの」の部分は一般的なホワイトボードと同じように文字を書くことができ、繰り返し使うことができます。マグネットは全部で80枚。予備シートもあるのでオリジナルの予定を作ることも可能です。

発達障がいやグレー児のスケジュール管理に生活ボードが効果的な理由

生活ボードが発達障がいや発達グレーの子供に効果的な理由は、「先の見通しがつきやすい」こと、「視覚効果がある」ことです。

理由①先の見通しがつきやすい

スケジュールボードは、一日の流れや一週間の流れが分かることで、先の見通しをつけることができます。

発達障がいの子供は、いつもと異なる流れや、先の見通しがつかないことに対し、非常に不安を感じると言われています。
いつもと違う道で帰ることや、日々の生活にはないイベントなどではパニックを起こしてしまうことも。

生活ボードを利用することによって、先の見通しをつけることができ、子供の不安な気持ちを軽減し、パニックを防ぐことにつながります。

理由②視覚効果

発達障がいの特性のひとつは、耳で聴いて理解するよりも、目で見て理解する方が得意な「視覚優位」であると言われています。

発達障がいの方の発言でこういったものがあります。

  • 「何かを考える時は、イメージを頭のスクリーンに絵として映し出し、視覚化して考える」
  • 「耳で聴くだけでは忘れてしまうため、視覚化された情報があると安心」

こうした特性は、脳の使い方の違いから起こると言われており、この方のように「耳からの情報だけでは理解しにくい、忘れてしまう」ということがあるようです。昔からどうも忘れっぽい、言われたことのイメージがつきにくいという人は、こうした特性があるかもしれません。

そこで、耳で聴いて理解することが難しい人には、視覚で理解できるように工夫することで「忘れっぽい」「理解しづらい」を軽減することができます。

普段から生活ボードなどのようなものを活用したり、指示や連絡はできるだけ文字にする、してもらうということで大きく改善することがあります。


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生活ボードが自己肯定感を高める?

生活ボードや絵カードなど、視覚支援をサポートするものを利用することで、自分で朝の支度がスムーズに進んだり、先の見通しがつきパニックになりにくくなるということにつながります。

その結果、周りから注意される機会が減り、褒められることが増えたり、自分でできたという自信にもなっていきます。

子供にとって、褒められる機会が増えることで、それが成功体験となり、自己肯定感が高まっていくのです。
発達障がいや発達グレーの子供は、どうしても注意されることが多くなりがちです。いつも注意をされる、怒られるということが積み重なっていくと「自分はできないんだ」「何をやってもだめだ」という思考が生まれます。

もちろん、特性を知り、むやみに注意しない・怒らないということが大切ですが、子供の特性に合わせて対処することで、注意したくなる特性が落ち着いたり、改善したりすることがあるのです。

すべての子どもたちに必要な支援「構造化」

最後に、「構造化」についてお話ししましょう。

構造化とは、「何かの行動や活動を起こしやすくするために環境を整えること」を指します。

主に、自閉症スペクトラムの子供やご家族を支援するために用いられている手法で、「いつ・どこで・何を・どのようにする」のかを視覚的に分かりやすいよう、環境を整えるもので、以下の3つの種類があります。

  • 物理的構造化(環境を整える)
  • 時間の構造化(スケジュール)
  • 活動の構造化(アクティビティシステム)

「構造化」は、街中のあちこちで見かけることができます。エレベーターや点字ブロック、スーパーのレジ待ちやATMの順番待ちの列で見かける足形なども構造化の例です。

ここで待つ、ここで●●をする、というのが視覚的にわかるようにすること、「構造化」は、発達障がいの方だけでなく、誰にでも分かりやすく、助かる手法と言えます。

物理的構造化(環境を整える)

物理的構造化とは、目で見て分かりやすく環境を整えることです。

例えば、遊ぶ場所と勉強する場所に境界を作り、空間を分けることによって目的を明確にします。

ここは遊ぶ場所、ここは勉強する場所、ここは食事する場所、とそれぞれの空間の目的を明確にすることによって、気が散るのを防ぎ、集中力を高めることができるのです。

時間の構造化(スケジュール)

時間の構造化とは、スケジュールを管理することです。

一日の流れを決め、目で見て分かるようにしておくことで、先の見通しを立てることができます。

発達障がいの子供は、先の見通しを立てにくく、それゆえ不安になったりパニックを起こしてしまったりすることがありますが、視覚的に一日の流れを明確にしておくことで先の見通しが立ち、自ら行動することができるようになっていきます

活動の構造化(アクティビティシステム)

活動の構造化とは、やるべき作業や活動を理解しやすくするために、伝え方を工夫することです。

「何を」「いつまでに」「どのようにやるのか」という活動の一連を視覚的に提示します。

例えば、「朝の準備をしましょう」、「手をちゃんと洗いましょう」と伝えても、準備の内容や「ちゃんと」の程度がよく分かりません。

朝の準備では、①カバンを開ける②コップを出す③連絡帳(ノート)を出す④棚にカバンをしまう⑤椅子に座る

手を洗うについては、①水で濡らす②ハンドソープを2回押す③手の平を洗う④手の甲を洗う⑤指の間を洗う…などと、イラストや写真で視覚的に細かく内容を伝えることで、行動がしやすくなるのです。

まとめ:スケジュールボードを使って、子どもたちの「できた!」を増やそう!

今回は、おススメの生活ボードのご紹介と併せて、生活ボードを使うメリットや効果、支援方法として大切な「構造化」についてお話しました。

こうした取り組みは、すべての子供にとってプラスになる取り組みです。

ぜひ、子供たちのできた!を増やしてあげてくださいね。

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