要介護1と2の保険外し 断行を進言 2割負担の対象拡大も視野に

介護ニュース

財務省の審議会は29日、鈴木俊一財務相に要介護1と2の訪問介護、通所介護などのサービスを市町村がコントロールする「総合事業」へ移行する意向を再度言及。段階的にでも進めるべきと主張した。

要介護1と2外し 各市町村がコントロールする「総合事業」へ
かねてから現場等から強い反発のあった「要介護1と2外し」だが、ここにきて審議会は、断行すべきと鈴木俊一財務相へ進言した。ひっ迫する介護保険制度だが、保険料を負担する人口に対し、高齢の利用者が増え制度の維持が難しくなる。昨年度の介護費は11兆円。2040年には25兆円まで上がると推計されている。

各市町村がコントロースする「総合事業」は、地域の実態に合わせた報酬や運営などが可能なため、財政審は「市町村が利用者の満足度を高めるようにサービスを独自に企画・実施、懸念を払拭できる」と持論を展開した。これにより、財源は国が統括する介護保険からでも、全国一律の給付金額ではなく、各自治体によって変わるため、介護保険制度維持のために「総合事業」への移行を断行するのが狙い。政府は、年内に正式な方針を決定する。

介護保険料 2割負担の対象拡大か?
膨れ上がる介護給付に対し、制度を支える世代の減少を懸念し、審議会では、現在の2割負担の対象者を増やす提案がされた。

現在、介護費は1割から3割と所得により決められている。2割は年収280万円以上、3割は340万円以上(いずれも単身者の場合)いずれも現役時代並みの年収がある高齢者が対象となっている。年収金額の基準を下げ、2割負担の対象者を増やすか否かが大きな焦点となっている。
政府内でも、賛成と反対の双方の意見があり、水面下での調整を行う見通し。関係者は「まだ方向性が定まっていない」と話している。ただ、今般の物価上昇や、内閣支持率低下の懸念もあるため、2割負担の対象者拡大は小幅になると推測が出ている。



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