介護施設看護師の仕事は?転職前に知りたい介護施設の「本当のこと!」

訪問看護

今回は、介護施設の看護師について気になるあなたや、就職・転職を検討しているあなたは必見です!
介護施設ではたらく看護師の特徴や役割、やりがいなどついて、筆者の経験とともにエピソードを交えながらお伝えします。なぜ、介護施設で働いているのか、現役看護師の声も聞きました。ぜひ、ご覧ください。

1.介護施設の看護師の役割

介護施設看護師は、介護が必要なご利用者様のいる施設で働きます。
介護が必要な施設としては、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などがあげられるでしょう。急激に進む超高齢化社会の現在では、高齢者の介護は重要な仕事ですその介護施設に勤務する看護師は、ご高齢者さまが必要とする医療的ケアをおこなう、不可欠な存在だといえます。

■ 介護施設看護師の仕事は?

介護現場での医療処置や健康管理がおもな仕事です。ご高齢者の特徴を理解して、医療ケアと心のケアを行います。
大まかな仕事は、点滴や薬の管理、褥瘡の処置、緊急時の処置・検査などです。介護老人保健施設以外には医師が常駐しておらず、本格的な治療が必要になったご利用者様は病院へ搬送されます。

また、目的は違っても、介護職と看護職に共通する仕事があります 。例えば、おむつ交換や入浴介助などの身体的ケア。介護職と看護職が協力して、入浴介助やおむつ交換に入ることもありますが、完全に分業にしている施設もあるようです。

「看護師さん、〇〇さんのおむつ変えます。お尻の傷の処置しますか?」
「看護師さん、△△さんお風呂入るので、バルンお願いします」
などと、介護職さんとのコミュニケーションをとり、持ちつ持たれつでうまく仕事が回っています

また、ご高齢者さまの中には、認知症や脳機能の低下などから、不穏状態になりやすいケースもあります。ゆっくり笑顔で話しかけたり、転倒などの危険のないよう誘導したり、安全に安楽に過ごしていただけるよう心掛けているのです。

■ 介護施設看護師の資質

一般的には、経験を積んできた看護師が多い傾向です。
看護部長や医師、同僚がいる施設は相談できますが、看護師は一人で医療的な対応をすることもあります。そのため、物事に対する柔軟さや臨機応変さ、問題解決能力なども求められているのです。

また、自立を支援するためのケアや、必要に応じて行動を促すような支援を行います。基本的なことですが、人を尊重できる人材でなければなりません。よりよい過ごしやすさを提供するためには、個人を尊重する姿勢やコミュニケーション能力も大切です。スキルや看護技術も大切ですが、やはりご高齢の方を敬う優しさや思いやり、笑顔は不可欠でしょう。

「昔はなあ、この辺に大きな酒屋があって、そこの敷地内で友達や姉さんとよく遊んだ……」と、嬉しそうな顔で昔を懐かしむご高齢者さまに、寄り添う時間も貴重なものです。

2.介護施設看護師として働く人

どのような理由で、看護師は介護施設に就職するのでしょうか?
筆者は、派遣などで、数カ所の介護施設で働いた経験からお伝えします。

介護施設で働いている看護師は、さまざまなバックグラウンドと、それぞれのスキルやモチベーションを持っていました。そして、ご高齢者とのかかわりが好きな人で、家事や体力などの事情に合わせて働きたい人たちが多く、パートタイムの割合が多い印象です。

ご高齢者に直接関わることで、仕事にやりがいが感じられます。また、病院のような急性期ではなく、だいたい定時で帰れるため、事情に合わせて働きやすい環境です。

■ なぜ、看護師は介護施設に就職したのか?

実際にお会いした看護師たちが、なぜ、介護施設を選んだのか?
5人の方からお話しをお聞きした内容をまとめます。

1.孫もいる50代看護師Aさん。自らの病気の回復後、体調を考慮しながら働き始めました。

2.育児を終えた40〜50代看護師Bさんは、子どもは大きくなったものの家事全般はおこなっており、体力的にも残業や夜勤などは厳しいといっていました。

3.30代のママ看護師Cさんは、子どもの送り迎えや家事をおこなっています。ある意味フルタイムのような毎日ですね。

4.30代の帰国子女看護師Dさんは、海外滞在費を貯めたくて短期で働いていました。基本はやっぱりご高齢者さまが好きだからです。

5.未経験の看護師20代看護師Eさんは、老年期看護に携わりたくて面接を受けました。関連の病院で数カ月修行をして、介護施設で働いています。夜勤もこなす期待のホープです。

先に、経験のある人が多いと書きました。
しかし、施設によっては教育システムを整え、新卒看護師を積極的に受け入れている職場もあります。もし、老年期看護がしたいと志がある人は、就職相談所や直接問い合わせて確認すると、希望の就職先が見つかるかもしれません。

なぜ、多くの看護師が介護施設を働く場所として選ぶのか、
 ● ご高齢者にしっかり関われる
 ● 都合に合わせた働き方がしやすい

 それに、施設の働く環境や考え方がマッチして、労働者不足の中でもご利用者様にサービス提供・還元ができるのかもしれませんね。

■ 介護施設で働く看護師の戸惑いは?

誰でも新しい環境に身を置くときは、戸惑いや不安はつきものです。
筆者も、はじめは戸惑いました。看護師ばかりだった病院などから、介護職のみなさんとの関わりが増えること。医療設備が病院より整っていないことなど。しかし、それはしだいに人間関係が築かれ、仕事の流れが分かると解消されます。

ただ、ときに、これは看護師の仕事!これは介護職の仕事!という論争がはじまることがあります。
あなたにも経験はありませんか?ガッチリとしたルールを決めていても、人相手なのでうまくいかないこともあり、臨機応変さは必要ですが、業務改善やルールづくりをすることで回避できます。実際、コミュニケーションがとれている施設は協力し合えていました。

介護施設で働く人の多くは、本当に心の優しい人たちでした。きちんとした説明や理解、お互いを思いやる気持ちを大切にして、円滑に業務を回していきたいですね。

まとめ

特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護施設で働く看護師は、看護経験者の割合が多いです。

当てはまらない看護師もいるかもしれませんが、筆者が出会った施設看護師に共通している点は、ご高齢者と関わることが好き。また、家庭や体調などが原因で、時間や曜日に制約がかかっている看護師でした。そして、職場は、受け入れ体制が整っていたり、いろいろな働き方に理解のある寛容な施設であることが多いです。

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※合わせて読みたい記事
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投稿者プロフィール

戸田看護師
看護師歴は約20年。病棟から老人介護施設・訪問看護などで勤務。2020年からライター活動を開始。みなさまのお役に立てるような記事を作成したいです。どうぞよろしくお願いいたします。

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