【デイサービス看護師の役割】を解説!観察力と真心をもって働く

訪問看護

今回は、「デイサービスで働きたい」と考えている看護師や介護職のみなさんに向けて記事にしました。

「デイサービス看護師の役割ってなに?」
「介護の現場で、看護師が働くの?」
「実際、デイサービスに看護師は必要?」

と、思っていませんか?

実際に働いた感想なども紹介します。関心や疑問を持たれたデイサービス関係者やご家族にもお読みいただけると嬉しいです。ぜひ、最後までご覧ください。

「デイサービス看護師の役割」介護現場に看護師は必要?

デイサービスでの看護師の役割を一言で言うと、ご利用者さまの看護をすること

デイサービスで看護師は、健康管理や医療的な処置、緊急時の対応、機能訓練、悩みの傾聴など、心身ともに総合的な看護ケアをおこなうために必要です。

そして、ご利用者さまが居宅においても、心身機能が維持・向上できること、日常生活や家族・社会に参加できることを目指しているため、家庭での生活も考えて看護しています。

ここで、病院とデイサービスを比較してみました。
同じ看護師の職場でも、デイサービスと病院の「雰囲気」はまったく違います

緊急場面に直面する数が多く、救急車の音が聞こえたり、コードブルーの館内放送が聞こえたりする病院
一方、介護的な仕事やコミュニケーションをとる割合が多いデイサービス

しかし、どこで働くとしても看護師の資格が必要で、役割の基本の「き」の字は同じです。

デイサービスの看護師は、病院と同様に、スキルを維持し、緊張感を持ちつつ、ご利用者さまの看護をする業務にあたっています。ご利用者さまが、安全で安楽に過ごせるように、心身ともに総合的な看護を提供することが役割で、介護現場でも看護師は必要です。

次は、「デイサービス看護師の役割を果たす」ための観察ポイントについてです!

【基本から】看護師の役割を果たすための観察力

ご高齢者は症状がハッキリと現れにくく、重篤化しやすい特徴があります。ですから、コミュニケーションは穏やかにしつつも、つねに研ぎ澄まされた観察力が必要です。

特に注意が必要な場面TOP3をあげます。

デイサービスで起こりうる不慮の事故TOP3

1位:入浴時
急激な血圧変動や転倒、溺水、脱水などのリスク。交通事故よりも事故が多い。

2位:食事・水分補給・内服時間
窒息や誤嚥の危険性大。誤嚥性肺炎を起こさない工夫や対応。

3位:移動・トイレ介助時
急激な血圧変動や転倒などのリスク。

です。

消費者庁「高齢者の不慮の事故」に関する資料でも、高齢者の不慮の事故による死亡TOP3を上げて注意を促しています。

高齢者の不慮の事故


1位:転倒・転落・墜落
2位:不慮の窒息
3位:溺死・溺水


参考元:消費者庁「高齢者の不慮の事故」に関する資料

単発や短期で働きに行った時も、以下のような情報を持っておくと、緊急時に素早く対応できるでしょう。

【まさかの緊急事態に備えて】素早く対応するために知りたい情報

  • 全員の名前と特徴を覚える
  • 責任者や他業種から情報収集をもらう
  • 本日のご利用者さまの健康状態や体調把握する
  • ご利用者さまの病気の有無や既往歴、病状、介護度、薬の把握する
  • 計画書や生活機能・興味関心チェックシート、日誌など書類から情報収集する
  • など

単発や短期間の仕事の場合、限られた時間の中で、把握をすることは難しいかもしれません。その場合、責任者や介護の方から説明があると思いますが、無い場合は積極的に情報をもらいましょう。

そして、経験上、たまにしか起こりませんが、

緊急事態に備えて、

  • 体調変化や事故・怪我などの緊急対応や判断
  • 全身観察・心肺蘇生・AED・吸引・適切な体位保持など
  • 緊急時の報告・連絡判断や依頼(ケアマネ・主治医・受診・救急車・ご家族など)
  • など

継続的に学び、知識やスキルをアップさせること、情報のアップデートも不可欠です。

以上の役割を果たし、ご利用者さまやご家族の安心感につなげたいですね。

次は、「デイサービス看護師の役割を果たす」ためのポイントを解説します!

看護師の役割を果たすには、同僚との連携や協力が必要!

デイサービス看護師の役割が果すには、周囲の同僚との連携と協力は不可欠で真心が大事です。

介護スタッフの協力や連携、ケアマネジャーやご家族からの情報提供などで成り立ち、スムーズに仕事ができています。

「そんなことわかっているよ」と思う方もおられるかも知れませんが、ネット上で「看護師VS介護職」という構図を見かけることがあります。

人の悩みはだいたい「人間関係」か「お金」「健康」なので、看護・介護業界だけでなく、ほかの業界でも同じことが起こっているのでしょうが……。

デイサービスにおいては、同僚と連携が必要な理由は、人命に関わってくるからです。ご利用者さまが被害を被ることだけは、なにがなんでも避けなくてはいけません。

まさか人の命に関わるなんてと、思いますか?

前述しましたが、ご高齢者のさまざまな症状はハッキリと現れにくく、重篤化しやすい特徴があります。他業種の協力や連携して、重要な徴候や転倒リスクなどを見逃さないよう観察する必要があるのです。

すべてのご利用者さまを観察するより、何人かで観察できて異常に早く気付けますし、ほかにも協力や分担をお願いして、注意したい人を集中して観察することもできます。

いろいろ書きましたが、

ネットでみるような殺伐とした事業所ばかりではありません。みんなが協力して、ご利用者さんへの愛にあふれている事業所も多いです。

次は、思いやりのある連絡帳について紹介します。

看護師の目に見えない役割は?ご家族との関わり「連絡帳」にも真心を!

「連絡帳」をつかった家族との円滑なコミュニケーションは大事です。真心をもち「連絡帳」が活用できていれば、ご家族からの情報提供や相談、事業所からの情報提供や支援ができます。

「連絡帳」を通じて連絡が盛んになると、以下のように、ご利用者さまやご家族と事業所の間で良い環境が生まれる可能性があります。

  • 情報共有
  • 心身の健康維持
  • 体調変化や異常の早期発見
  • 生活の質の向上・負担軽減
  • 自己管理や決定の支援
  • 社会的交流の促進・つながり
  • など

例えば、「おしりの傷がひどくなっている気がします、みてもらえますか?」など、書かれてあると注意してみることができます。そして、病院へ行くか行かないかの判断や促し、ケアマネさんへ相談するかしないかなどのお手伝いができます。

ご家族とケアマネさんとの連絡が密な場合、すでにご存じなことも多いです。

手紙を書くように、親しみや愛情をもって、やさしい文調で分かりやすく記入。そうすると、ご家族からの書き込みも増えるかもしれません。忙しくても一行で終わらせず、少なくとも数行は、デイサービスでの様子などを記入した方がよいと考えています。

介護職の方も記入するのですが、「……やさしい表情でカーディガンに触れ、母の日にカーディガンをもらったと話されていました。とても嬉しかったのですね。……」など、デイサービスの様子を書く方もいて、読んだご家族も喜ばれるのではないかと思いました。

最近では、LINEなどの電子系のコミュニケーションツールも利用されるようになっています。今後は、デイサービスで使用されている連絡帳が電子系に変わっていく可能性もあるでしょう。筆者は経験がありませんが、もう利用されている事業所もあるかも知れません。

プライバシー情報が漏洩しないよう、細心の注意を払う必要がありますが、適切に電子ツールの利用ができれば便利で、ご家族も安心かもしれません。

まとめ

デイサービス看護師の役割は、磨かれた観察力と真心を持ち、健康管理や医療的ケア、心身トータル的に看護することが求められます。ご利用者さまが、安心して安全に過ごせるようにはたらいているのです。

同僚との連携・協力や情報共有、ご家族とのコミュニケーションなどは必要!

多くの関係者とのコミュニケーションを円滑に進めることで、ご利用者さまの健康や健康維持につながります。人への思いやりと緊張感で、ご利用者さまとご家族をサポートできるのだと思います。

少しでも興味を持たれたら、デイサービスで活躍してみませんか?



投稿者プロフィール

戸田
戸田看護師
看護師歴20年。病棟から介護施設・訪問看護などで勤務。2020年からライター活動を開始。みなさまのお役に立てるような記事を作成したいです。どうぞよろしくお願いいたします。

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