介護職員の資格一覧!ホームヘルパー1級・2級との違いも解説

訪問介護

この記事では、介護職員として働くための資格について解説します。

介護職員として働くためにはどのような資格が必要なのでしょうか。

介護職員といっても、施設で働くのか訪問介護員として働くのかによって必要な資格に違いがあります。

さらに、掃除や買い物など家事をお手伝いするのか、排泄や食事、衣服の着脱など日常生活動作の介助をするのかによっても必要な資格は異なります。

詳しく見ていきましょう。

介護職員として働くための資格・研修をまとめたものが以下の表です。

資格・研修名研修時間内容
介護福祉士介護職員としてスキルアップの目標となる国家資格
介護福祉士実務者研修450時間介護福祉士となるための必須研修
介護職員初任者研修130時間介護職員としての基礎を学ぶ研修
生活援助従事者研修59時間生活援助に従事するための研修
入門的研修21時間介護職員としての入門研修

介護福祉士のみが国家資格であり、介護職員としての最上位資格です。

入門的研修→生活援助従事者→介護職員初任者研修→介護福祉士実務者研修→介護福祉士とステップアップしていきます。

介護職員として働く上で、取得資格によって実施可能なサービスは異なります

詳しくは以下の表をご覧ください。

資格・研修名訪問系サービス施設系サービス
介護福祉士実施可能実施可能
介護福祉士実務者研修実施可能実施可能
介護職員初任者研修実施可能実施可能
生活援助従事者研修実施可能(ただし、生活援助のみ)実施可能
入門的研修実施不可実施可能

表を見て分かるように、自宅へ訪問して介護を行うためには、生活援助従事者研修以上の取得が必要です。入門的研修の受講だけでは、施設で介護を行うことはできますが、在宅へ訪問して介護を行うことはできません。

さらに、訪問介護の中でも、生活援助だけでなく身体介護も行うためには、介護職員初任者研修以上の取得が求められます。

介護人材が不足している中で、介護未経験者の介護分野への参入を目的として創設されたのが「入門的研修」です。

さらに、訪問介護に携わる介護職員の補充が急務の中で、生活援助を中心に担う訪問介護員を養成するための研修が「生活援助従事者研修」になります。介護福祉士が生活援助と身体介護の両方を担っていたのではもはや追いつかないからです。

「生活援助従事者研修」は、訪問介護員の要件である130時間以上の研修受講は求めず、生活援助中心のサービスに関する知識やスキルを学ぶ内容になっています。

介護職員として施設で働きたいなら「入門的研修」を、在宅へ訪問して介護をしたいなら「生活援助従事者研修」を、まずは介護職員の初歩として勉強してみるのもおススメです。

「介護職員初任者研修」は、介護職員としての基礎的な知識やスキルを身につけるための研修です。

講義と演習を合わせて130時間の研修受講が必要です。

「介護職員初任者研修」を修了すると、施設で働くことはもちろんのこと、訪問介護員として身体介護も可能となります。

ここで、2012年までの資格であった「ホームヘルパー2級」と「介護職員初任者研修」との違いについて触れます。

2012年までは、介護に携わる資格として「介護職員基礎研修」と「ホームヘルパー2級」、「ホームヘルパー1級」がありました。

「介護職員基礎研修」は施設や在宅に関わらず、介護職員としての知識やスキルを身に付けるためのものであり、「ホームヘルパー2級・1級」は訪問介護員として働くことに重点を置いた資格です。

それが2013年に介護職員のキャリアパスを分かりやすくするために全て廃止され、ホームヘルパー2級は「介護職員初任者研修」へ、ホームヘルパー1級は「介護福祉士実務者研修」へ生まれ変わりました。

介護職員初任者研修がホームヘルパー2級と異なる点は、介護技術の取得に重点を置いた内容になっている点や、研修受講後に筆記による修了試験が導入された点です。

資格が生まれ変わったといっても、ホームヘルパー2級取得者は介護職員初任者研修を修了しているものとみなされるため、介護職員初任者研修を受けなおす必要はなく、介護職員として施設や在宅で働くことができます。

「介護福祉士実務者研修」は、介護職員初任者研修の上位資格であり、介護福祉士国家試験を受験するための受験要件の一つになります。

介護福祉士実務者研修は450時間の研修受講が必要であり介護に関する幅広い知識やスキルを身に付けることのできる研修です。

介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格であるといっても段階を踏まなければならないわけではありません。いきなり介護福祉士実務者研修から受講することができ、だれでも受講可能な研修です。

ただし、初任者研修の上位資格であるため、介護分野の経験がないと研修についていくのは大変だと予想されます。

過去の資格であるホームヘルパー1級は、介護福祉士実務者研修に相当する資格です。

ただし、介護福祉士実務者研修の方がホームヘルパー1級よりも研修の単位数が増え、より研修内容が充実したものとなりました。

介護福祉士実務者研修に追加された内容は以下の通りです。

  • 医療的ケアの追加
  • 介護過程Ⅲの追加

昨今、介護現場が多様化する中で、介護職員も医療的知識を習得する必要があるとして「医療的ケア(50時間の座学と演習のカリキュラム)」の内容が追加されました。

医療的ケアについての研修を受け、さらに実地研修を受けることによって、「認定特定行為業務従事者」として経管栄養や喀痰吸引を行うことができるようになります。

そして、「介護過程Ⅲ」では、介護計画の作成と介護計画に基づいた介護ケアの実施を学びます。

ホームヘルパー1級の資格だけでも今まで通り介護職員として施設や在宅で働くことはできますが、介護福祉士国家試験を受けることができないのが難点です。

介護福祉士実務者研修テキスト 第5巻 医療的ケア 第3版

介護福祉士試験を受験する実務経験者に対して義務づけられた「実務者研修」の対応テキスト

救急蘇生や感染対策などの情報も更新済。
喀痰吸引等の実施手順を示した動画もWEBで視聴可能です。

【主な目次】
第1章:医療的ケア実施の基礎
第2章:喀痰吸引(基礎的知識・実施手順)
第3章:経管栄養(基礎的知識・実施手順)
第4章:演習

3,080円(税込)/1冊

介護福祉士になるためには、所定の大学で専門課程を修了する他に「実務ルート」があり、介護職員として働いた経験年数によって受験資格が与えられます。

ただし、この「実務ルート」に乗って介護福祉士国家試験を受験するためには、「介護福祉士実務者研修」の修了資格が必須なのです。

介護福祉士実務者研修の修了資格と介護現場での実務経験3年以上を満たすことで介護福祉士国家試験の受験要件がクリアでき、ホームヘルパー1級の資格だけでは受験要件を満たすことはできません。

ホームヘルパー1級取得者が、介護福祉士実務者研修を受講する場合、355時間相当の研修受講が免除されます。この機会に介護福祉士実務者研修の受講を考慮してみてはいかがでしょうか。

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介護分野で働くには、実は無資格でも可能なのです。(2024年から介護事業者に対し、認知症に関する研修を職員に受けさせることは必須になりましたが…)

ほぼ介護に関する知識がなく介護現場に飛び込むことも可能ですが、介護に関する知識やスキルを持っておくことで自信をもって仕事ができ、給与もアップします。

2013年から介護職員の資格や研修受講や分かりやすくなったことで、最終目標に向かって自己のキャリアパスを組み立てることもできやすくなりました。

介護職員の上位資格である介護福祉士、さらにはその先の認定介護福祉士を目指してみてはどうでしょう。

介護分野が全く初心者という方であれば「入門的研修」や「介護職員初任者研修」からの受講を、介護分野での経験が3年以上あれば「介護福祉士実務者研修」を受講し介護福祉士を目指すことをおススメします。

2012年までの「介護職員基礎研修」や「ホームヘルパー1級・2級」取得者は、介護福祉士実務者研修を受講する上でそれぞれ指定の単位数が免除されるため、実務者研修の受講を考えてみてくださいね。

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