高齢者の髪の毛の特徴&頭皮のトラブルとケア方法を知ろう

たかが髪、されど髪

介護職者や自宅で家族を介護している方にとって、頭皮トラブルやケア方法は気になるところです。
この記事では広島で訪問理美容を行っている筆者が、高齢者の髪の毛の特徴を踏まえ、頭皮のトラブルと日頃のケアについてお話しします。ぜひ参考にしてみてくださいね。

まずは、毛髪の役割についておさらいしてみましょう。

  • 暑さや寒さ、衝撃、摩擦、紫外線等に対する保護作用
  • 有害(ヒ素、鉛、水銀等)物質の排泄作用
  • ファッション、装飾においての重要な役割
  • 健康のバロメーター

毛髪には外部からのダメージを軽減するだけではなく、内部の毒素を排出する役割も担っています。

健康面以外にも自分らしさの表現としての役割も重要で、髪を切った後は周りの人に見てもらいたくなったり、リフレッシュしてやる気が出てくる方も多いかと思います。

弊社のご利用者様の中にも髪を切った後、鏡を見てぱっと表情が明るくなり、「リハビリに行くのが楽しみ!」と仰る方もおられます。

寝たきりだから、本人が気にしないからと放っておくのではなく、前向きな気持ちを持ってもらうためにも、散髪はとても大切な生活の要素です。

高齢者の髪の毛の特徴を確認してみましょう。

  • 髪の毛の伸びが遅くなる
  • 抜け毛が多くなり、量が減り薄くなる
  • 毛が細くなり、こしやツヤがなくなる
  • 白髪が増える

毛髪は、もちろん個人差はありますが、加齢や生活習慣の変化によりボリュームが少なくなったり白髪が増えていきます。体の全体的な機能と同じように、毛髪の機能も加齢とともに衰えていきます。また、下記のような状態が見受けられる場合は日頃の頭皮ケアが難しく、さらに頭皮環境の悪化を招く場合があります。

寝たきり

枕やクッションとの摩擦により、後頭部の髪がもつれる。洗髪が毎日ではないことが多く、不衛生な状態が続く。

脳卒中(片麻痺)

健側の手でブラシは持てるが、麻痺側の手でドライヤーを持てない。髪を結ぶ・ピンを留めることが困難になる。洗髪が片手では満足にできない。

脳性麻痺

不随意運動や過緊張、体の突っ張りのある人にとって、整髪に関する行為は困難で全介助を要する。

関節リウマチ

痛みやこわばりにより関節可動域制限があり、髪の手入れが困難になる。

その他

頭皮に術後の傷や変形がある、毛量の減少や部分脱毛

次は高齢者によくある頭皮トラブルについて確認していきましょう。

乾燥

高齢者は体内の水分や皮脂が少なくなりやすく乾燥しやすい、乾燥は細菌感染の要因になる。

汚れ・におい

汗・老化角質、生活環境に伴う塵埃の付着によりにおいが発生、汚れやすい。

脱毛症

代謝障害・感染症・内分泌障害によって起こる。

フケ

過度の乾性・脂性の頭皮にみられる気候の変化、ストレス、睡眠、食事、合わないシャンプー剤の使用によっても影響される。

出張理美容の現場では特に、寝たきりが原因によって発生する寝癖や髪のもつれが気になることが多々あります髪のもつれは放置していると、やがて、毛髪がツバメの巣のように塊になってしまい、さらに手入れやケアが難しくなります。

本人はもちろん辛いですが、介護者にとっても悩みの種になってしまいます。早めに、そして小まめに対処することが大切です。

それでは、こうした頭皮トラブルはどのように予防していけばいいのでしょうか。確認しましょう。

頭皮トラブル予防の基本はブラッシングとシャンプーです。頭皮環境の乱れは間違ったシャンプー(洗髪)の仕方による頭皮への刺激が原因です。

ブラッシングの効果

定期的なケアとしてブラッシングがオススメです。ブラッシングには以下のような効果があります。

  • 頭皮や毛髪に付着した角質(フケ)や塵埃の汚れを取り除く
  • ブラシの刺激によって血行を促進し、毛髪をほぐす
  • シャンプーを円滑にする

ブラッシングには頭皮の汚れを浮き上がらせシャンプーの泡立ちが良くなり、頭皮や毛髪の汚れが落としやすくなります。また、寝たきり状態であっても定期的なブラッシングにより髪のもつれを予防・改善することが出来ます。

お身体が不自由でご自身ではメンテナンスが難しい場合でも、ちょっとした時間にブラッシングを行ってあげるだけで頭皮環境のトラブルを少なくすることが出来ます。

キレイになるシャンプー(洗髪)の方法

最後に、いつもよりキレイになるシャンプーの方法をご紹介します。

  1. 丁寧にブラッシング
  2. 38度前後のぬるま湯でしっかり素洗いをする。これで汚れやほこりの8割が落ちる。*熱すぎる湯だと乾燥や皮脂の分 泌促進が起こるので注意
  3. 指の腹を髪の毛の間に入れて軽く動かす
  4. シャンプー剤は手のひらで泡立ててから使う。ショートヘアで100円玉大、ロングヘアはその3倍
  5. シャンプーが頭皮にしっかり届くようにする
    *シャンプーは頭皮を洗うもの
  6. マッサージしながら頭皮の汚れを落とす
    *血行活性化、抜け毛予防に効果
  7. しっかりすすぐ。シャンプー成分が地肌に残ると、かぶれや毛穴のつまりの原因になる
    *目安は3~5分

シャンプーはつい、ゴシゴシ洗いがちですが、まずは丁寧にブラッシングをした後にぬるま湯で素洗いすることが大切です。その後適量のシャンプー剤を手のひらで泡立てて、頭皮を洗うイメージで優しくマッサージをしながら洗います。

ハビナースお湯のいらない泡シャンプー

入浴できない時、髪と頭皮の汚れ・ニオイをスッキリ落とす簡単ケアシャンプーです。
コンディショニング成分配合で髪がきしまず指どおりもなめらかです。

以上、高齢者や介護を必要とされる方に多い頭皮トラブルやケアの方法を確認しました。

介護という枠で考えると、どうしても頭皮のケアは後回しになりがちです。しかし、自分自身のことを考えてみると、頭皮トラブルがあるととてもストレスに感じてしまいますよね。気持ちの面にも大きく関わる頭皮ケア、大切にしていきたいものです。

もしもご自身では対応が難しくなってしまった場合は出張理美容(訪問理美容)を頼ってください。寝たきりの方、外出が難しい方の頭皮ケアや散髪で快適になるお手伝いをさせていただきます。

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