新型コロナ 高齢者の持病悪化死が増加 専門家は第8派に警戒

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東京都は新型コロナウイルス流行「第7波」の感染状況をまとめた。新型コロナウイルスによる致死率は、インフルエンザ並みに低下したものの、60代以上の感染者の割合が増加している。「高齢者施設や家庭での対策強化を」と専門家が訴える。このままのペースで推移すると、2週間後には現在の2倍超になる可能性もあり、第8波が現実的になってきた。

肺炎での死亡率は減少 感染後の持病悪化による死亡が目立つ

都は昨年7〜9月の第5波、今年1〜3月を第6波とし、7~9月を第7波として比較。
感染者数に対しての致死率は、デルタ株が主流だった第5波は0.414%だったが、オミクロン株が主体の第7波では0.091%で4分の1程度に下がった。国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師は「第5波までは(エックス線で)肺が真っ白になるほどの肺炎で死亡する人が多かったが、第6波で激減、第7波ではさらに減った」と明かす。

重い肺炎での死亡率は減ったが、感染後の持病悪化による死亡が目立つ。第5波では6%だったのが、第7波では新型コロナ以外の死因が29.5%と、第5波の約5倍に増加、死者の9割近くが持病を抱えていた。

クラスター発生 6割が高齢者施設
第5波~第7波にかけての感染者の年齢別を比較すると、20代~30代は減少したものの、60代以上の全世代で増加している。クラスター発生は高齢者施設が全体の63%に上り、感染力の強いオミクロン株が施設内で広がった実態が浮かんだ。
都医師会が都内の85か所の介護老人保健施設にアンケートを実地、職員が感染したと答えた施設は全体の97%に、利用者の感染経路も「職員から」が最多となった。大曲氏は、若者は経度の風邪や無症状のため、医療機関を受診しない可能性があるという。「若者が感染者にカウントされなくなり、症状が悪くなりやすい高齢世代の比率が上がったのではないか」と推測する。

2週間後には新規感染者が2倍に モニタリング会議分析
10日に開かれた東京都のモニタリング会議の分析によると「新規感染者の発生が2週間後には2倍を超えると予想、感染の再拡大が危惧される」とした。1日当たり1万4000人超に上る可能性がある。
東京都のオミクロン株のワクチン接種率が8.8%にとどまっている。高齢者施設に医療従事者をのせてワクチンに出向く「ワクチンバス」を派遣するなど、体制作りを急いでいる。

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