「デイサービスで働いてみたいけど、実際どんな仕事内容なんだろう?」と、デイサービスで働くことを検討している看護師さんはおられませんか?
数カ所で働いたことがある看護師が、具体的な仕事内容や必要なスキル、向いていると思う人、注意点などを紹介します。就職や転職時の参考などに、ぜひご覧ください。
デイサービス看護師の具体的な仕事内容
ご利用者さまの介護度や状況など必要に応じて、仕事内容は変わります。また、事業所によって仕事内容は異なることがあります。以下が、具体的な仕事内容の例です。
1. 健康管理
血圧や体温などバイタル測定や、ご利用者さまとの会話などから体調を観察・把握します。同時に、入浴や機能訓練、在所できるかどうかの判断も必要です。
2. 入浴介助
入浴の可否を判断して、必要時には入浴全般や部分的なサポートをします。
3. 褥瘡や創傷などの処置
褥瘡や創傷の処置、軟膏の塗布、湿布貼用、爪切りなどは、入浴後におこなうことが多いです。
4. 薬剤管理
インスリン注射やその他の注射、点眼、服薬管理、血糖測定などをおこないます。
5. 食事介助・口腔ケア・吸引
ムセやすい方や経管栄養の方などは介助が必要です。
6. 排泄介助
トイレ介助も介護スタッフと協力しておこないます。また、必要に応じて、バルンカテーテル管理やストマ管理、摘便、浣腸などのサポートもします。
7. 機能訓練指導やレクリエーション
機能訓練をサポートし、身体機能の維持・向上、病気の予防を目指します。また、レクリエーションも介護スタッフと協力しておこなう場合があるでしょう。
8.記録・連絡
ご家族へのメッセージやケアマネージャーへの連絡など。
デイサービス看護師の仕事内容は、健康を維持するための観察や薬剤管理、機能訓練、処置、コミュニケーション。また、生活の一部である食事や排せつ、清潔維持のサポートも、デイサービス看護師の大切な仕事内容です。
一日デイサービスのスケジュール例
看護師が一番忙しい時間帯は、健康チェック時間と入浴前後の前後の時間帯です。
午前と午後に分けて見てみましょう。
また、(※)はご利用者さまに合わせて、空いた時間でおこないます。
午前の仕事
♦ 午前の仕事
・施設の準備
・送迎到着
・水分補給
・バイタルサイン測定
・入浴・入浴介助
・処置
・入浴後の水分補給
※レクレーション・機能訓練・食前の体操・トイレ介助・記録など
午後の仕事
♦ 午後の仕事
・誤嚥防止の体操
・食前薬
・血糖測定やインスリン注射
・配膳
・食事
・注入(必要な人がいれば)準備・施行
・食後薬
・片付け
・全員でレクレーション
・おやつと水分補給
15時半ごろから順次
・帰宅準備
・トイレ介助
・移動介助
・送迎開始
・掃除
・終業
※機能訓練
※昼寝(体力や習慣に応じて)
※午前で入れなかった人などの入浴
※残りの記録
デイサービスの種類も増えており、「入浴ありの半日デイサービス」「機能訓練だけの半日デイサービス」など、さまざまな種類ができました。ご利用者さまの希望や状態にあわせたデイサービスの選択が相談できます。
デイサービス事業の役割
デイサービスは、どのような役割があるのでしょう。事業所と看護師の役割をあげます。
デイサービス事業所の役割
ご利用者さまが日常生活を有意義に送る上で、「 社会的孤立感の解消 」や「 心身の機能の維持 」、「 家族の身体的・精神的負担の軽減 」などの問題点が、解決できるようにスケジュールされています。
デイサービス看護師の役割
仕事内容から分かるように、デイサービス看護師の役割は、ご利用者さまの健康管理です。ご利用者さまの健康管理やケアをおこない、デイサービスで有意義に過ごす時間や安心した生活が送れるように支援します。
また、デイサービス看護師は、通所の介護現場にて健康管理に携わる職員であり、介護スタッフサポート役でもあります。
デイサービス看護師の必須スキル3つ
国の定める配置基準で、デイサービス看護師は1名であることが多いです。介護スタッフやリハビリスタッフとチームで働いており、協力も得られますが、以下のスキルは看護業務に必要でしょう。
1.基礎看護技術
具体的な仕事内容で述べたように、基礎看護技術は必須です。基礎的な看護技術を習得し、高齢者の身体的特徴や個別の慢性疾患の特徴を考慮して、適切なケアを提供する必要があります。ただし、必要とされるスキルは流動的で、事業所やご利用者さま層によって、仕事内容も変わります。
2.救急時の対応
医療従事者である看護師は、緊急時の適切な状態把握と迅速な判断、蘇生などの対応が求められます。事業所では、十分な設備が整っていないため、あらかじめ確認しておく必要があるでしょう。万が一に備えて、救急車の手配やケアマネージャーの連絡、家族の連絡など、マニュアルや役割分担を決めておくと安心です。
3.コミュニケーション技術
好意的なコミュニケーションをとり、ご利用者さまや介護スタッフ、リハビリスタッフのみなさまと信頼関係を築きましょう。相手を尊重し、敬う気持ちをもつことが大切です。良好な関係を確立できると、お互いに助け合えるように行動できます。笑顔がある職場には、「行きたい」と、ご利用者さまが思ってくださるでしょう。
もう一つ深めておきたい知識は、認知症の知識です。超高齢化社会の日本では、2025年には約5人に1人になるとの推計があり、関わることは必然的だからです。
看護師のスキルを磨き対応すると、安全で安心できる場所を提供できるでしょう。
デイサービス看護師に向いている人は?労働環境と注意点も!
高齢化社会の現在、デイサービス事業所は急増しています。ライフスタイルに合わせて働きませんか?職場環境をふまえて、以下のような人におすすめの職場です。
まずは、労働環境から紹介します。(※)印の箇所は、面接時など管理者と相談するとよいと思います。
デイサービスの労働環境
多くのデイサービスは、以下のような労働環境です。
・夜勤や残業がほとんどない
・プライベートは時間がとりやすい
・祝日は稼働している事業所が多い
・夜勤がなく残業が少ないので収入は減
・病院業務と比べると、医療処置が少ない
・介護度によって、関節などに負担がかかりやすい
・必要に応じて、食事や入浴、排泄などのサポートをおこなう
・看護師の配置が一人の場合が多い
・急な休みや長期休暇がとりにくい可能性(※管理者と要相談)
デイサービスの仕事に向いている人
労働環境から、デイサービス勤務に向いている人をあげます。
・ご高齢の方と関わることが好き
・老年期看護を勉強したい
・介護や子育て中
・定時で帰りたい
・夜勤が苦手
・バイト収入が欲しい
・土日や祝日の勤務もOK(※管理者と要相談)
デイサービスの仕事に向いていない人
目指すゴールや看護観、体調などで、デイサービスはあわない職場になります。以下のような方には向いていないかもしれません。
・最新の医療看護を学びたい
・看護だけの仕事がしたい
・モクモク作業が好き
・収入を上げたい(※管理者と要相談)
・腰痛や持病がある(※管理者と要相談)
・体力に自信がない(※管理者と要相談)
デイサービスに就職する際の注意点
最後に注意点をお伝えします。
それは、施設によって、仕事量がまったく違っていたということです。体力をあまり使わなくてもよい職場もありますし、逆もあります。それは、人員が足りていたり、介護度が重いご利用者さまが少なかったり、さまざまな要因があるでしょう。
人が相手のサービスなので、労働環境が安定している期間は保証できませんが、管理者と相談したり、見学や単発で働いたりして様子を見るとよいと思います。以上が、向いている人・向いていない人でした。
まとめ
デイサービス看護師の仕事内容は、ご利用者さまの健康管理や医療的ニーズに対応し、安全で快適な時間を過ごしていただくために重要です。ご利用者さまがデイサービスで人と関わり、食事や活動量が増すことで日常の健康維持に役立っていることは間違いありません。
医療処置は少ないものの、病院とは違ったやりがいや新たな学びがあります。デイサービスの仕事を一度体験して、就職先の選択肢にいれてみませんか?
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投稿者プロフィール
- 看護師歴20年。病棟から介護施設・訪問看護などで勤務。2020年からライター活動を開始。みなさまのお役に立てるような記事を作成したいです。どうぞよろしくお願いいたします。
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