デイサービス看護師が「辛い」と感じるときの原因と解決策は?

訪問看護

デイサービス看護師も仕事で辛さを感じることがあります。たまに、「こんなにしんどいとは思わなかった」「もういかない」などというネガティブな声も……

今回は、デイサービス看護師さんや就活中の看護師さんが、より充実した職場で働くためのヒントです。デイサービス看護師が抱える辛さや理由を探り、解決策を考えた内容になります。

いろいろな職場や考え方、ご意見もあるでしょうが、一例としてまとめました。学生さんや管理者の方も、ぜひご覧ください。

1.デイサービス看護師が辛いと感じる理由は?

デイサービス看護師の仕事は、ご高齢や障害をお持ちの方の健康管理や日常生活支援をおこないます。その仕事内容は幅広く、以下のような辛さを感じるかも知れません。

デイサービス看護師の業務内容と負担

デイサービス看護師は、ご利用者さまの健康状態の観察や看護、食事や排泄のサポート、レクリエーションなど、幅広い業務をこなします。時間帯によって集中的に忙しいのですが、一時的な忙しさであっても、看護師一人に対しての業務の多さは、辛さを感じる要因になり得ます。

経験によっては、急変時の適切な判断と対応を一人でしなければならないというプレッシャーを感じることもあるでしょう。

また、病院などで経験したことのないレクリエーションに「辛さ」を感じる看護師もいるようです。施設ごとで特徴もあるため、一概には言えませんが、解決策を後半で説明します。

デイサービス看護師が抱える身体的・精神的な辛さ

デイサービス看護師は、体力的な負担や疲労が蓄積されることがあります。身体介護を含めた看護のニーズは肉体的な重労働であることが多く、体力に自信のない方には負担となるでしょう。また、一部のご利用者さまとのコミュニケーションや関係構築にも精神的なエネルギーを費やすことも。ただし、心身の負担の大きさは、看護師個人や施設によってことなります。

スタッフ不足や人間関係のストレス

デイサービス看護師の勤務現場では、介護スタッフ不足が問題となることがあります。それは、看護師の業務の多忙さや負担の増加、超過勤務にも繋がります。このことで、ストレスが蓄積されるかもしれません。また、忙しくギスギスした人間関係は辛さを感じる要因となります。

以上のように、デイサービス看護師の仕事の辛さには、仕事内容からの身体的・精神的な辛さ、人間関係がうまくいかない場合など要因があることが分かります。ほかにも問題点はあります。各自が、解決策を考えられるよう、問題点を可視化しましょう。

2.デイサービス看護師の辛いときの解決方法とは?

デイサービス看護師の辛さを解決するためには、問題点を可視化し、解決策を考え、行動し、習慣化することです。

入社前・バイト前の2つのリサーチがとても重要

一つ目のリサーチは、入社・バイト前から、自分のリサーチです。

看護師自身の目的を明確にしていれば辛い気持ちや葛藤が生じにくいです。「なぜ、デイサービスで働きたいのか」目標があれば、前向きに働きやすいでしょう。

もう一つ、入社・バイト前から欠かせない職場リサーチ。仕事内容や労働条件などを把握することです。

労働環境を把握すると、ワークライフバランスを尊重した働き方を選択できたり、苦手な仕事内容を避けられミスマッチを防げたり、退職を防げたりするかもしれません。

直接、先方に聞きづらい方は、紹介会社や派遣会社から情報をもらう方法もあります。

特に、デイサービスで働いた経験のない方は、見学や体験談、単発バイトなどで仕事の流れや雰囲気をつかむことがベターです。

ただし、仕事内容は正社員と異なる場合もあり、施設によっても異なることがあるので注意してください。そして、疑問に思ったことは、機会をうかがって、質問してみましょう。

セルフケアの重要性と方法

デイサービス看護師自身も、健康で働きたい人も、セルフケアは必須です。

あなたにお尋ねします。

「眠れない・気力が起きない・食欲がない・疲れやすい」などの症状が続いていませんか?

他人のことはよく見えていても、自分のことは見えにくいかもしれません。体調を聞かれるまで、自分の心身の負担に気付かなかったというケースもありました。

なので、自分を観察するために、定期的にセルフチェックすることをオススメします。

厚生労働省サイトで、ストレスや疲労度のセルフチェックができるこころの耳」というコーナーがあります。

5〜10分程度で参考になる判定がでるので、ぜひ参考にしてください。

そして、心身が疲れている可能性がある場合は、周囲の人やカウンセラーに相談するか、適切な医療機関で診察を受けましょう。

昔から、規則正しい節度ある生活が、健康を維持するうえで重要だということは知られています。知っていても、日々の忙しさなどから、無意識に自分をないがしろにしている方も多いのではないでしょうか?

「辛い」気持ちを減らしたい方や、健康を維持したい方は、

睡眠と休息
食事・栄養の摂取
適度な運動や散歩

など、いま一度、日常生活を確認してみましょう。大丈夫だった方は、そのまま維持ですね。

さらに、セルフケアを意識することは最優先事項だと思います。

マインドフルネス瞑想・一人の時間
友人や家族との時間
趣味の時間(音楽や読書、旅行など)

など、好きなこと・癒しの時間を後回しにしないでください。

自分をいたわり、セルフケアを習慣化できれば、「辛い」と思う気持ちが軽減、もしくはなくなるでしょう。

チームのコミュニケーションやサポート体制

デイサービス看護師には、チームの協力が不可欠です。

介護スタッフやリハビリスタッフを含めたチーム内でのコミュニケーションを積極的にとり、情報共有や仕事の連携をスムーズにおこないましょう。職種を越えたチーム力が強固になれば、お互いを助け合うサポート体制も整い、安心して働ける環境になるでしょう。

知人はなぜ、レクリエーション参加が辛いと感じたのか事例と解決策

レクリエーションに「辛さ」を感じる看護師もいるのも事実です。知人の話から解決策を考えましたが、あらためて、入社やバイトに行く前の「職場リサーチ」が大切だと思います。

知人は、初めてデイサービスに、単発バイトへ行きました。なぜ「辛さ」を感じてしまったのでしょうか?

理由は、

・リサーチ不足だった
・レクリエーションが機能訓練も兼ねると考えてなかった
・看護師の仕事と考えていなかった
・病院の仕事とのギャップがあった
・恥ずかしがりだった
・暑い夏の浴室内で午前も午後も入浴介助・疲労困憊状態だった
・単発で場に馴染んでいなかった

など、があげられます。

以上の理由から、知人の「辛い」ケースは、いくつかの理由と課題が重なったものと想定できましたが、一番の問題と改善点は、事前のリサーチ不足です。

リサーチができていれば、どのようなレクリエーションで、看護師がどこまで関与するか分かり、看護観や人生観に合わせて「する」「しない」「交渉する」の選択ができたかも知れません。そして、デイサービスのバイトに「いく」「いかない」「交渉する」の選択もできたと思います。正社員で就職を考えている方にも同じことが言えるでしょう。

そして、看護師が「暑い夏の浴室内で、午前も午後も入浴介助」をした話は、個人的に知人以外、聞いたことがありません。ヘトヘトになることが想像できます。体力を奪われたあとのレクリエーションはツラいかもしれません。

ちなみに、筆者が働いたデイサービス事業所は、レクリエーションもサポート的なことが多く、転倒や事故が無いように見守ったり、軽く参加したり、機能的に動作の難しい方とペアで参加したりするくらいでした。初めは圧倒されましたが、あまり辛さは感じませんでした。感じ方には、個人差もあると思いますが……。

以上の解決策を紹介しました。

入社やバイト前のリサーチ、個人やチーム・組織全体の取り組みが重要です。これらをおこなうことで、デイサービス看護師の辛さを軽減、もしくは解決し、より自分に合った労働環境で働けるかもしれません。

3.デイサービス看護師の辛いとき、転職する?しない?

デイサービス看護師を辛いと感じた時、転職するか?しないか?悩む人も多いですね?

以下にまとめたことは、どの業種でも、どの職場でも言えることかもしれません。まだ、就職していない人は参考までにご覧ください。

カウンセリングや友人などの心理的な支援で転職しない

前章でも触れましたが、デイサービス看護師が抱えるストレスや心理的な負担を解消するために、カウンセリングや心理的なサポートを受けることは有効です。

カウンセラーや心理士によるカウンセリングを受けることで、心の健康をサポートし、心身のバランスを取ることができます。日本ではまだ浸透しているといえませんが、海外では一般的な行動です。

カウンセリングにはちょっと抵抗があるという場合は、話しやすい同僚や上司、友人などに話を聞いてもらうと良いでしょう。しかし、体調が変わらなければ、転職や休職の考慮も。あなたの健康はとても大切です。

自己啓発や研修の参加で自分を磨き転職しない

学びは自己投資と同じです。デイサービス看護師のキャリア支援や研修の活用をすると、スキルの向上や専門性を維持向上することで、看護師自身の自信や自己肯定感を高めることができます。さらに、新しい人・サークルでの交流は新鮮です。刺激を受けて、新たなやりがいを見出したり、目標を持てたりと、有意義な時間が過ごせるかも知れません。

転職という手段を考慮する

自分の健康を守ることは非常に大切です。

しかし、合わない職場や合わない同僚がいる職場などに就職してしまうこともあります。

理不尽な扱いを何度も受けたり、建設的な話し合いができない状態が続いたり、健康を損ねて不調が続く場合など、

解決策を講じても改善の見込みがない場合は、転職先を探してもよい頃ではないでしょうか?

まずは、身近な人やカウンセラーに相談しましょう。

以上のことで、働き続けられるかもしれません。しかし、心身の健康が維持できない場合は、転職も視野に入れましょう。

まとめ

デイサービス看護師の仕事は、ご利用者さまのニーズに対応するさまざまな業務負担があります。

個人によって、目指す目標や働く目的が異なるため、働く前の綿密なリサーチが必要です。リサーチをして、あなたに合った働き方や働き場所を見つけ、「辛い」を減らしましょう

また、職場によっては、身体的・精神的な疲れや人材不足、人間関係などの課題があります。チーム内でのコミュニケーション強化やサポート体制の整備などが必要で、セルフケアや自己啓発などの研修、カウンセリングや周囲の人からの心理的な支援なども大切です。

人は一人ではできないことも多いです。デイサービスで働く者同士が、より良い状態で業務に取り組むことができると、組織全体の業績向上にもつながるでしょう。

投稿者プロフィール

戸田
戸田看護師
看護師歴20年。病棟から介護施設・訪問看護などで勤務。2020年からライター活動を開始。みなさまのお役に立てるような記事を作成したいです。どうぞよろしくお願いいたします。

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