「2022年4月に改定された診療報酬で、訪問看護に関係あることは?」
今回は、2022年4月の診療報酬改定で求められた「質の高い訪問看護サービス」の強化ポイント、それに伴い見直された「訪問看護指示書」についてまとめました。診療報酬改定に対応した書類も紹介しますので、ぜひご覧ください。
まずは、訪問看護サービス内容からです。
求められる質の高い訪問看護サービス
2022年4月診療報酬で見直された課題は、「質の高い訪問看護」。
見直された理由は、急速な高齢化社会により介護を要するご高齢者の増加していること。また、入院日数の短期化により、在宅での継続的な看護ケアが必要なことなどがあげられます。今後、訪問看護や訪問介護を必要とされる方は増加が予測され、あらゆるケースに対応していかなければなりません。そのため、より質の高い専門的な訪問看護サービスを、適切な方へ提供するよう求められているのです。
訪問看護の仕事・サービス内容
訪問看護は、知識や経験とともに柔軟性が必要な仕事です。
個人や家族に合わせた仕事内容は多岐にわたり、ほとんど1人で業務を行います。
訪問看護ステーションで働く主な職種は、看護師や理学療法士、作業療法士などがいます。
具体的なケアは、医師の指示で医療的ケアとして健康状態の観察や点滴・注射、服薬管理、褥瘡処置、在宅酸素吸入、尿道カテーテル留置、人工呼吸器管理、人工肛門管理など。身体的ケアとして入浴や食事、排泄介助など。需要が高まるターミナルケア・看取りなど。身体機能を維持・回復するためのリハビリテーション。家族の相談、そして地域との連携なコミュニケーションをとる必要があります。
前述したように、高齢化社会問題や入院日数短期化などにより、訪問看護のニーズは増々大きくなるでしょう。
質の高い「看護ケア」強化ポイント
2022年診療報酬の改定では、現状の評価や見直し、追加加算をおこないました。
【 4つのポイントに注目 】
① 訪問看護における連携強化
・24時間体制を強化:複数の事業所で連携、評価見直し
・機能強化型訪問看護:他の訪問看護事業所への研修や相談業務など
・小児からご高齢者まで幅広く、地域との関わり
➁ 専門看護師の配置
・褥瘡ケア・緩和ケア・人工肛門ケア・人工膀胱ケアなど専門性
専門性が高まると看護側・ご利用者様側の双方にメリットがあります。
③ ターミナルケアや看取り
・療養費や退院支援など見直し
④ 遠隔司法診断補助
・遠方にいる医師に情報通信機器(ICT)で画像や情報を伝え、死亡診断の補助をおこなう取り組み。
I T 時代だからこそ出来る内容ですね。
事業所の規模や人員不足、地域性が原因で、体制強化が進みにくい訪問看護ステーションもあります。
そのため、地域や各事業所の連携を意識付け、訪問看護を担う専門看護師の教育や育成、人員確保に力がそそがれています。
サービス提供に必要な訪問看護指示書の見直し
訪問看護サービス内容には、身体機能を維持・回復するためにリハビリテーションがあります。2022年4月診療報酬改定では、適切なリハビリテーションが実施されるよう明確な記載が必要になりました。
■訪問看護指示書
まずは、訪問看護指示書についておさらいです。
法律上、この訪問看護指示書が交付されなければ訪問看護は始められません。
医師が交付した後に、訪問看護事業所がご利用者様や家族と契約できる重要な書類です。
介護保険か医療保険の適応は、特定の病気や重症度などによって決まります。
該当する基本的な項目は以下です。
【介護保険と医療保険】

1)16特定疾患(スライド4), 2)厚生労働省が定める疾病等(スライド9), 3)特別管理加算(スライド10)
■記載欄の見直しポイント
2022年診療報酬改定以降、適切なリハビリテーションが実施されるよう「リハビリテーション記載欄」は、明確な記載が必要になりました。改定前は「介護保険の場合」のみ記載が必要でしたが、改定後はリハビリテーションが必要な場合に「介護保険・医療保険」どちらも記載が必要になったのです(※令和4年度診療報酬改定の概要 在宅 (在宅医療、訪問看護)を参照)。

訪問看護指示書は、診断名の違いで適応保険が変わったり、不備があると認められなかったりする場合があります。医師だけでなく、訪問看護ステーションでも診断名や開始日、記載漏れなどの確認が必要でしょう。
■その他の代表的な指示書
① 特別訪問看護指示書
急性増悪、退院直後など頻回な訪問が必要なときに交付
➁ 精神科訪問看護指示書(認知症以外)
認知症以外の精神疾患のときに交付
※精神科特別訪問看護指示書:状態が悪い場合に発行される指示書もあります。
主治医が多忙で書いてもらえないなど、訪問看護指示書がすぐにもらえなくてお悩みの管理者様もおられるでしょう。いつでも素早く書いてもらえるように訪問看護指示書の冊子を持っておきませんか?
訪問看護で必要な書類や便利なグッズの紹介
『 介護福祉の総合マーケットcaps キャプス 』がご用意しています!
■ 訪問看護指示書(2022年診療報酬改定に対応)
「早くサービスを提供したい」「ご利用者様を待たせたくない」という訪問看護ステーション管理者様やスタッフ様におススメです。素早く書けて、スムーズに受け取れるように、2022年診療報酬改定に対応した訪問看護指示書の冊子をご用意しています。
【 capsの訪問看護指示書 のメリット 】
・2022年診療報酬改定の記入欄見直しに対応
・複写なので、コピー機がなくても大丈夫
・空欄を順番に埋めるだけで、記入漏れなく完成
・PCが苦手な人でも素早く書ける
・書きたいことを余白場所にサッと書ける
■ capsおススメの訪問バッグ
書類は「とても重要」。ご利用者様の個人情報が記載されているため紛失すると大きな問題になります。仮に紛失してしまうと、ご利用者様に精神的苦痛を与えたり、悪用されたり、裁判に発展したりするケースがあります。大事な個人情報を守るために、定期的なコンプライアンス研修、持ち物の管理や整理、バッグは手放さない、他のご利用者様と間違わないよう個別ファイリング、バッグの破はないか、雨の日の書類の管理・工夫など。もう一度、確認してみませんか?
【 おススメの訪問バッグ の特徴 】
・書類は折らずラクラク収納
・撥水加工で雨に強い
・倒れず自立する
・軽量設計
・大容量!パソコンや血圧計、着替えも余裕で収納
・中身が見えやすい
大事な書類を守るため、capsおススメ商品がお役に立てましたら幸いです。
訪問看護・介護に必要な多くの商品やグッズを取り扱っています。
まとめ
2022年4月診療報酬は、質の高い訪問看護サービスを提供するための改定でした。
高齢化社会などにより訪問看護ニーズ高まることに反して、看護の担い手が不足すると予想されていることはご存じの通りです。国は訪問看護の質を高めるとともに、業務が円滑におこなえる仕事環境や人員増加も目指しています。
社会を支えるために、各事業所や地域で助け合い、誰もが安心して暮らせるように連携・協力していきたいですね。
【参考元】
1)厚生労働省「訪問看護の仕組み」
2) 公益財団法人在宅医療女性勇美記念財団 在宅医療と訪問看護のあり方検討委員会
「訪問看護活用ガイド 改訂版」
3) 厚生労働省「令和4年度診療報酬改定の概要」 在宅 (在宅医療、訪問看護)
4) 厚生労働省「個別改定項目について」
投稿者プロフィール
- 看護師
- 看護師歴は約20年。病棟から老人介護施設・訪問看護などで勤務。2020年からライター活動を開始。みなさまのお役に立てるような記事を作成したいです。どうぞよろしくお願いいたします。
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