訪問理美容開業事業所が知っておきたい安全管理

たかが髪、されど髪

訪問理美容を開業するにあたり、安全管理を徹底することはとても大切です。

訪問理美容は高齢者や身体の不自由な方を対象とするサービスの為、通常のサロンと同じ感覚で施術を行ってしまうとご利用者様のお身体に負担がかかってしまうこともあるので、介護現場における安全管理を意識徹底した上での施術が必要です。
その為、弊社スタッフには初任者研修(旧ホームヘルパー2級)を受講してもらっています。

弊社には知識や経験が豊富なスタッフが多く在籍していますが、慣れにより安全管理の意識低下が発生してしまうため、定期的に研修を行い安全管理意識の再徹底を図っています。

この記事では、医療安全管理者として活躍されている外部講師を招き、社内で行った訪問理美容における安全管理講習会でのワークをご紹介します。

まず、これまでのヒヤリハットの事例をもとに、なぜなぜ分析を用いて原因の追求及び対策案をチームに分かれて検討しました。その中から一部を紹介します。

【ヒヤリハット事案概要】

Cさん(施術者)は、施設に入所中のDさん(利用者)のカットと顔剃りをベッド上で行うことになった。カットが終わり、顔剃りをしようとした際、Dさんが「トイレに行きたい」と言って突然起き上がり、危うく顔を傷つけそうになった。

【ヒヤリハット発生状況】

発生時間:1月中旬 10:00 天候:雪

  • Cさんは、Dさんに施術の内容と施術終了のおおよその時間を伝えていた
  • Dさんは、施術を受ける30分前に施設職員の介助でトイレに行っていた
  • Dさんは、パーキンソン病と前立腺肥大症を患っており、トイレが近かった
  • 当日は雪が降っていたが、施設の感染症対策で居室の換気のために窓が10cm開いていた

【考えられる原因】

  • 「トイレ大丈夫ですか」とサービス実施中に聞かなかった
  • 病状について把握していなかった
  • 「刃物を持っているので動いたら危ないですよ」と声掛けが出来ていなかった
  • 「あと○○分で終わりますよ」と声掛けが出来ていなかった

【さらに深堀りした原因追求】

  • 施設職員さんやDさんとのコミュニケーション不足
    →コミュニケーションをとっていれば病状の把握、次の施術内容について報告出来ていた
  • 病気に関する知識不足
    →病気の症状を理解していれば施術時に気をつけるべき点を把握出来ていた
  • 怪我をさせにくい器具を使用するべき
    →急な移動で肌に器具が触れても怪我をさせにくい器具を使用

このように次々と意見が出てきました。

こういった事例分析は万が一発生してしまったインシデント・アクシデントの再発防止の為に行うことはもちろんですが、これまでの事例をもとに例題を作成し定期的に学習していくことも重要です。

訪問理美容業は一般の理美容のプロとしてだけでなく、介護職の一員だという意識も大切です。ただ髪を切る、頭皮ケアを行うというだけでなく、ご利用者様のお身体の状態を把握し、体調や怪我に細心の注意を払わなくてはいけません。そのためにも常に緊張感を持ちつつ、快適な時間をお過ごし頂けるよう柔軟なコミュニケーションを欠かさないよう心がけましょう。

日々忙しいなかでも、定期的にヒヤリハットを見直し、スタッフとともに改善策を考えていくこともサービスの質向上につながります。

ぜひ行ってみてくださいね。共に訪問理美容のプロとして成長していきましょう!

訪問理美容のオリジナル日誌はキャプス

介護サービスはサービス実施の記録が義務付けられています。訪問理美容サービスにおいても、実施内容などを複写式記録で残しておくと、事業所・利用者ともに控えが残り、安心です。
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