訪問理美容ってこんな仕事

たかが髪、されど髪

この度キャプスチャンネルにて連載をスタートさせて頂くことになりました。

連載のテーマは「たかが髪、されど髪」。

訪問理美容業としてお客様の整容サポートを20年に渡り務めてきた中で、「ここが辛かった・・・」「ああ、この仕事をしていてよかったな」なんてことは毎日のように感じてきたわけですが、まだまだこの業界の規模は小さく、私たちの仕事について知らない方も多くいらっしゃいます。

「出張して髪を切るだけでしょ?」

「介護にも髪のケアって必要なの?」

この連載ではそんな読者様の疑問に、私たちとお客様の間に起きた物語を通じて答えていきます。

ベラミステーションについて

まずは自己紹介をさせてください。

私たちは広島県広島市を中心に訪問理美容業を営んでいる有限会社 ベラミステーションです。

もともとは「ヘアサロン・ベラミ」として1981年に開業し、床屋さんを営んでいましたが、2000年10月より訪問理美容業をはじめ、2002年8月に法人化し「ベラミステーション」として新しくスタートしました。

当時はまだ訪問理美容業はとても珍しく、介護施設へ入居されていて外出の困難な方が散髪を希望される場合は近所の床屋さんが伺うことがほとんどで、ボランティアとして散髪をされていた方も多かったようです。

そんな時代の中、訪問理美容専門業者としてスタートした私たちですが、散髪を出張で行う場合の取り決めや介護制度の改正など、取り巻く環境の変化に対応しながらあれよあれよという間に20年が経ちました。

20年間訪問理美容業者として介護を必要とされている方のもとへ伺い、散髪やパーマといった整容サポートを行っていると、私たちの仕事は決して「お客様が求める髪型にすること」だけではないと気づかされることが多くあります。

そういった整容サポート以外の役割における共通点は「心のサポート」です。

今回はそんな訪問理美容における心のサポートを紹介します。

訪問理美容における心のサポート

モチベーションアップ

ご高齢や病気が原因で以前のようにお身体が思うように動かなくなっていても髪を切ってサッパリするのは気持ちいいんです。

そして、施術を終えて一段と美しくなったお客様は自信に満ち溢れ、自然と笑みがこぼれます。

自信は活力へと変わり、リハビリへ行くのが楽しみになったり、塞ぎ込みがちでも少し気分が軽やかになったりと、日々の生活のモチベーションアップに貢献します。

コミュニケーションを通じたストレス解消

お客様インタビューを通じて「私たちのサービスをご利用頂く理由」を伺うと、「散髪中の会話が楽しい」との声を多く頂きます。

お身体の具合によって外出することが出来ず、コミュニケーションをとる機会が少なくなりストレスをかかえてしまっているお客様にとって、私たちとの施術中の会話が少しでもストレス解消につながればと考えています。

コミュニケーションはとっても大切な仕事なんです。

ご家族の思いを叶える

髪型のことが分からなくなった認知症の方にパーマをかけることがあります。

それは認知症になる前、いつもキレイに髪を整えられていた頃と同じようにしてあげたいというご家族の要望があるからです。

そういったご家族の想いを叶えてあげることも訪問理美容の大切な役割です。

お客様の多くはご高齢であり、お客様が亡くなられた時にご家族から「いままでありがとうございました」と連絡を頂くこともあります。

そういったお礼の言葉を頂く度に、お客様のご家族にも私たちの仕事は必要とされているんだなと気づかされます。

髪を切るだけじゃないんです

私たちは理美容師である以上、ご満足頂ける髪型を提供することは大切なことです。

さらに福祉に携わる理美容師である以上、お客様のお身体に負担をかけないよう素早く、そして優しく施術することはサービスにおいてとても大切なことです。

ですが、私たち訪問理美容師は整容のサポートだけでなくお客様、そしてご家族の心のサポートも大切な仕事だと考えています。

お客様の生活がより明るくなるよう整容そして心の両面からサポートすることが、私たち訪問理美容師の役割です。

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