今年もどうぞよろしくお願い致します。
弊社は今年、出張理美容業をはじめて22年、法人化して20年を迎えます。
20年に渡り出張理美容業を営んできた中で、通常の理美容院に来られる方と、高齢もしくは介護を必要とされる方の間に「頭皮環境の違い」を見受けることが多々ありました。
今年は一人でも多くの方に頭皮トラブルとケアについて知って頂く為に、新年最初の記事は頭皮のトラブルと日頃のケアについてお話しします。
毛髪の基礎知識・トラブル
まずは、毛髪の役割についておさらいしてみましょう。
- 暑さや寒さ、衝撃、摩擦、紫外線等に対する保護作用
- 有害(ヒ素、鉛、水銀等)物質の排泄作用
- ファッション、装飾においての重要な役割
- 健康のバロメーター
毛髪には外部からのダメージを軽減するだけではなく、内部の毒素を排出する役割も担っています。
健康面以外にも自分らしさの表現としての役割も重要で、髪を切った後は周りの人に見てもらいたくなったり、リフレッシュしてやる気が出てくる方も多いかと思います。
弊社のご利用者様の中にも髪を切った後、鏡を見てぱっと表情が明るくなり、「リハビリに行くのが楽しみ!」と仰る方もいらっしゃいます。
高齢者の頭皮の特徴
次に高齢者の毛髪の特徴を確認してみましょう。
- 髪の毛の伸びが遅くなる
- 抜け毛が多くなり、量が減り薄くなる
- 毛が細くなり、こしやツヤがなくなる
- 白髪が増える
毛髪は加齢や生活習慣の変化によりにボリュームが少なくなったり白髪が増えていきますが(もちろん個人差があります)、お身体に下記のような状態が見受けられる場合は日頃の頭皮ケアが難しく、さらに頭皮環境の悪化を招く場合があります。
寝たきり
枕やクッションとの摩擦により、後頭部の髪がもつれる。洗髪が毎日ではないことが多く、不衛生な状態が続く。
脳卒中(片麻痺)
健側の手でブラシは持てるが、麻痺側の手でドライヤーを持てない。髪を結ぶ・ピンを留めることが困難になる。洗髪が片手では満足にできない。
脳性麻痺
不随意運動や過緊張、体の突っ張りのある人にとって、整髪に関する行為は困難で全介助を要する。
関節リウマチ
痛みやこわばりにより関節可動域制限があり、髪の手入れが困難になる。
その他
頭皮に術後の傷や変形がある、毛量の減少や部分脱毛
よくある頭皮トラブル
次はよくある頭皮トラブルについて確認していきましょう。
乾燥
高齢者は体内の水分や皮脂が少なくなりやすく乾燥しやすい、細菌感染の要因になる。
汚れ・におい
汗・老化角質、生活環境に伴う塵埃の付着によりにおいが発生、汚れやすい。
脱毛症
代謝障害・感染症・内分泌障害によって起こる。
フケ
過度の乾性・脂性の頭皮にみられる気候の変化、ストレス、睡眠、食事、合わないシャンプー剤の使用によっても影響される。
上記の中でも出張理美容の現場では特に、寝たきりが原因によって発生する寝癖や髪のもつれが気になることが多々あります。髪のもつれは放置しているとやがて、毛髪がツバメの巣のように塊になってしまい、さらに手入れやケアが難しくなります。
頭皮トラブルの予防
さて、ここまで頭皮トラブルについて確認してきましたが、次に頭皮トラブルの予防について確認しましょう。
頭皮トラブル予防の基本はブラッシングとシャンプーです。頭皮環境の乱れは間違ったシャンプー(洗髪)の仕方による頭皮への刺激が原因です。
ブラッシングの効果
定期的なケアとしてブラッシングがオススメです。ブラッシングの効果は以下があげられます。
- 頭皮や毛髪に付着した角質(フケ)や塵埃の汚れを取り除く
- ブラシの刺激によって血行を促進し、毛髪をほぐす
- シャンプーを円滑にする
ブラッシングには頭皮の汚れを浮き上がらせシャンプーの泡立ちが良くなり、頭皮や毛髪の汚れが落としやすくなります。また、寝たきり状態であっても定期的なブラッシングにより髪のもつれを予防・改善することが出来ます。
お身体が不自由でご自身ではメンテナンスが難しい場合でも、ちょっとした時間にブラッシングを行ってあげるだけで頭皮環境のトラブルを少なくすることが出来ます。


キレイになるシャンプー(洗髪)の方法
最後に、いつもよりキレイになるシャンプーの方法をご紹介します。
- 丁寧にブラッシング
- 38度前後のぬるま湯でしっかり素洗いをする。これで汚れやほこりの8割が落ちる。*熱すぎる湯だと乾燥や皮脂の分 泌促進が起こる
- 指の腹を髪の毛の間に入れて軽く動かす
- シャンプー剤は手のひらで泡立ててから使う。ショートヘアで100円玉大、ロングヘアはその3倍
- シャンプーが頭皮にしっかり届くようにする
*シャンプーは頭皮を洗うもの - マッサージしながら頭皮の汚れを落とす
*血行活性化、抜け毛予防に効果 - しっかりすすぐ。シャンプー成分が地肌に残ると、かぶれや毛穴のつまりの原因になる
*目安は3~5分
シャンプーはつい、ゴシゴシ洗いがちですが、まずは丁寧にブラッシングをした後にぬるま湯で素洗いすることが大切です。その後適量のシャンプー剤を手のひらで泡立てて、頭皮を洗うイメージで優しくマッサージをしながら洗います。
ついおろそかにしてしまう頭皮ケア
以上、高齢者や介護を必要とされる方に多い頭皮トラブルやケアの方法を確認しました。
頭皮ケアって必要だとわかっているけど、ついおろそかにしてしまいますよね。自分のことならまだしも、施設や在宅介護をされているご利用者様の頭皮ならなおさら。
とはいえ、日頃の頭皮ケアを怠ると手遅れになってしまうことも。
もちろん、そういった状況になった時に弊社のような出張理美容業者を頼って頂ければ丁寧に対応しますが、ご利用者様の為にも出来る限り未然に防ぎたいですよね。
今年は昨年より少しだけでも、周りの方の頭皮ケアのことを気にかけてもらえると嬉しいです。
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