介護職に就いていて、ダブルワークや副業に関心がある人はとても多いです。
- 収入を増やしたい
- 介護職以外のスキルも身に付けたい
低収入と言われる介護業界で、ダブルワーク・副業によって月に数万円でも収入が増えれば嬉しいですよね。
本記事では、介護職でダブルワーク・副業をしてみたい方のために、メリットやデメリット、実際に行なう際の注意点などを、現役介護職で副業もしている筆者が解説していきます。
ダブルワーク・副業とは?
介護職以外にも、掛け持ちで仕事をして収入を得ることをダブルワークや副業と言います。
ダブルワークの場合は、2つの仕事を同じくらいの割合でしている状態を指し、副業の場合は、本業の介護職をして空いた時間で仕事をすることを指します。
最近はダブルワークや副業OKの会社も増えてきており、筆者が働く介護施設でも許可制ではあるものの、副業が認められています。
しかし、やみくもにダブルワークや副業をしても、体調を崩したりスケジュール管理が難しいなどの問題が起きるので、まずはダブルワークや副業のメリットやデメリットを確認しておきましょう。
ダブルワーク・副業のメリット
ダブルワーク・副業のメリットは、以下の3つです。
- 収入アップ
- スキルアップ
- コミュニティの拡大
それぞれ一つずつ解説していきます。
収入アップ
ダブルワーク・副業の最も分かりやすいメリットは、「収入アップ」でしょう。
介護職をしながら他の仕事をすることで、今よりも月に数万円程度多く収入を得ることが可能です。筆者も副業を始めた当初は、月に5万円ほどですが稼げるようになりました。
月に5万円収入がアップすれば、年収で言うと60万円増えることになります。
平均収入が低いと言われる介護職にとって、月に数万円程度でも増えるのは非常に魅力的と言えるでしょう。
スキルアップ
2つ目のメリットは、「スキルアップ」です。
どんな仕事をするかにもよりますが、ダブルワークや副業は収入だけでなくスキルもアップできます。
介護以外の仕事もすることで、介護では学べないスキルを身に付けられる点は非常に魅力的でしょう。そして、ダブルワークや副業で学んだスキルを介護職に活かせれば、より良いケアを利用者様に提供できます。
筆者は以前、介護職をしながらトレーナーの仕事もしており、そこでホスピタリティを学ばせてもらいました。そして、介護現場で利用者様に接する際、その経験を参考にしながら接遇という面で活かせました。
介護現場以外での学びは、介護職に応用することで活きたスキルとなるでしょう。
考え方や価値観の拡大
ダブルワークや副業をすることで、介護職以外の仲間との関わりが生まれます。
介護業界に長くいることが悪いとは言いませんが、同じ業界に長年いると、考え方が凝り固まってしまう傾向にあります。そのため、介護以外のコミュニティに属することで考え方や価値観が広がり、人間としての幅が広がる効果が期待できます。
介護業界の常識が、他の業界では非常識なんてことはよくある話です。例えば、いまだに手書きで介護記録をしている事業所がありますが、IT関連の業界からするとあり得ません。
ダブルワークや副業で、さまざまな人と関わることで、介護業界の常識を疑う視点を養うことができるでしょう。
ダブルワーク・副業のデメリット
ダブルワーク・副業のデメリットは、以下の2つです。
- 体調管理が難しい
- スケジュール管理が大変
それぞれ一つずつ解説していきます。
体調管理が難しい
ダブルワークや副業をすることで、仕事量が増え体調を崩しやすくなります。
最も注意したいのは、稼ぎたいからと言って、介護職の休日まで削ってダブルワークや副業をするのは避けましょう。休息は必ず必要で、適度に休まないと誰でも体調を崩します。
特に睡眠時間を削ってまでダブルワークや副業は絶対NGです。なぜなら、寝不足だと集中力が著しく低下し、本業の介護職のパフォーマンスも大きく下げてしまうからです。
全米自動車協会(AAA)交通安全財団の調査によると、6時間睡眠は酒気帯び状態と同程度ということです。睡眠不足で働くのは、酔っ払って仕事してる状態ということですね。
参考:PRESIDENT online「酒気帯び時の認知レベル」6時間睡眠が、じつは一番危険な理由
スケジュール管理が大変
ダブルワークや副業をするためには、そのための時間が必要です。
本業の介護職があることを考えると、空いた時間は休日か勤務の前後になります。そして、その空いた時間に他の仕事のスケジュールを組み込まなければいけません。
さらに、介護職はほとんどがシフト制で、毎月スケジュールが異なります。そのため、ダブルワークや副業をするにしても、定期的に同じ曜日や時間でできるわけではありません。
このような介護職ならではの勤務体系を考えると、スケジュール管理が大変になることが予想できます。
ダブルワーク・副業をする際の注意点
介護職がダブルワーク・副業をする際の注意点は、以下の5つです。
- 就業規則を確認
- 健康が第一
- スケジュール帳は必須
- 年度末に確定申告が必要
- 介護職で手を抜くのは絶対NG
それぞれ解説していきます。
就業規則を確認
ダブルワークや副業をする際は、必ず職場の就業規則を確認しましょう。
2018年の働き方改革を機に、副業を推進してる企業は増えているものの、まだまだ介護業界では禁止してる事業所が多く存在します。
また就業規則をよく見ると「会社の許可なく他の会社に雇用されることを禁止する」といった内容が書かれていることもあります。
就業規則を確認して、上記のような記載があった場合は、まず上司にダブルワークや副業をしたい旨を相談してみるといいでしょう。
健康が第一
健康を犠牲にしてまで、ダブルワークや副業をするのは避けましょう。
生きるためにお金は大切ですが、それ以上に健康が大事なのは誰もが分かっているはずです。たとえ収入が大きく増えたとしても、無理して働いて健康な身体を失っては本末転倒です。
ダブルワークや副業の目的は、収入やスキルを増やして人生を豊かにすることです。お金を最優先にして健康を害すことだけはしないように、健康第一で適度に頑張りましょう。
スケジュール帳は必須
前述のデメリットでも触れたように、ダブルワークや副業をする際はスケジュール管理が大変です。そのため、スケジュール帳は必須と言えるでしょう。
必ず手書きのタイプを準備しなくても、スマホのアプリでスケジュール管理できるものも多くあるので、自分が使いやすい方法でスケジュール管理をすることが大切です。
本業である介護職のシフトが決まったら、すぐにスケジュール帳に反映し、それを見ながらダブルワークや副業の時間を考えるのがおすすめです。慣れればスムーズにできるようになるでしょう。
年度末に確定申告が必要
ダブルワークや副業をする場合、本業の介護職以外に年間20万円以上の収入がある場合は、年度末までに確定申告が必要です。
確定申告によって、ダブルワークや副業で稼いだ分の税金をいくら納めればいいか分かります。
よくあるのが「確定申告をすることで税金額が会社に分かり、ダブルワークや副業をしてることがバレるのでは?」というお悩みです。
こちらに関しては、余程の大金ではない限り税金の額は大きく変わらないので、バレることはないでしょう。また、会社の経理担当者も一つ一つ細かくチェックする暇がないので、正直心配はいりません。
バレるかどうかどうしても不安な人は、確定申告の際に住民税の徴収方法を「普通徴収」にすれば、給与天引きではなく自分で納付できるので、会社にバレにくくなるでしょう。
介護職で手を抜くのは絶対NG
当たり前のことですが、ダブルワークや副業をしているからといって、本業の介護職で手を抜くのは絶対NGです。なぜなら、介護職あってのダブルワークや副業だからです。
また、本業を理由にダブルワークや副業で手を抜くのももちろんNGなので、注意しましょう。どちらもお金をもらって仕事してるプロであることを忘れてはいけません。
そして、介護職で手を抜かないためにも、前述でお伝えした体調やスケジュール管理を徹底してことが非常に重要と言えるでしょう。
現役の副業介護職がおすすめするダブルワーク・副業3選
現役の介護職で副業をしている筆者がおすすめする副業は、以下の3つです。
- 好きなこと
- Webライター
- コンテンツ制作
では、それぞれ解説していきます。
好きなこと
どうせ仕事するなら好きなことをしましょう。例えば、料理をするのが好きであれば、レストランのキッチンスタッフとして働けますし、洋服が好きならアパレルショップで働く選択もあるでしょう。
筆者の場合は、トレーニングが好きという理由で、近くのジムでトレーナーとして働いた経験があります。やはり好きという思いがあるからこそ、お金以外の価値も感じられました。
好きだからこそ無理なく続けられる効果もあるので、まずは好きなことでお金を稼ぐ方法はないか考えてみましょう。
Webライター
続いて介護職の方におすすめなのが、Webライターです。こちらは筆者が実際にしている副業で、ニーズがあるからこそおすすめしています。
Webライターの主な仕事は、ネット上にある記事やコラムの執筆です。最近はさまざまな介護系メディアが増えており、現役介護職ならではの経験を記事にしてほしいという依頼は多くあります。
介護職としての経験が価値を生み、文字となってお金に変換されるWebライターの仕事は、今後も需要が増えることが予想されます。気になる方は「介護 Webライター」などで検索すると、色々な情報を知れるので調べてみてください。
コンテンツ制作
コンテンツ制作は、自分自身で作成したものに価値を持たせて、そのコンテンツがお金を生み出してくれる仕組みを作ることです。
例えば、以下のようなものがあります。
- YouTube
- ブログなどのWebサイト
- noteやKindleなどの電子書籍
YouTubeでは、チャンネル登録者数や視聴回数に応じて広告会社から収入を得ることができ、ブログなどのWebサイトであれば、広告収入や商品販売で利益を得られます。
また、最近はnoteやKindleなど、誰でも簡単に電子書籍を作れるプラットフォームが出てきたので、自分の商品を作って売るという選択肢もあるでしょう。
介護職での副業
まったく新しい仕事を副業として選ばなくても、今の介護職のスキルを活用して、「別の職場で副業する」というのもひとつです。
「カイテク」は、隙間時間で介護の仕事のバイトができるアプリで、面倒な履歴書・面接なども必要なし、すぐに働くことができ、すぐに収入を得ることができると話題です。
収入は増やしたいけれど、それほど時間があるわけではない、面倒な手続きは避けたいという方にはぴったりの副業でしょう。
まとめ
今回は、介護職のダブルワークや副業事情について解説しました。
介護職は、ダブルワークや副業で収入やスキルをアップできる反面、体調管理やスケジュール管理が大変というデメリットがあります。また、職場の就業規則もしっかり確認した上で、必要であれば上司に相談しましょう。
介護職の方で、ダブルワークや副業を始めてみたいというのであれば、まずは週1回で3時間程度から少しずつ始めて、慣れてきたら徐々に増やしていく方法がおすすめです。
お金は大切ですが、それ以上に健康が大事であることを認識し、無理なくダブルワークや副業を始めていきましょう。
投稿者プロフィール
- 介護業界17年目の現役介護職。介護リーダーや管理職の経験もあり、現在は地方法人のグループホームに勤務。介護職の傍ら、介護士の転職メディア「介護士の転職コンパス」の運営や、複数のメディア(介護に限らず)でWebライターとしても活動中。主な保有資格は、介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士など。
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