ケアマネジャーの仕事内容とは?ケアマネの将来性と合わせて解説【介護支援専門員監修】

訪問介護
  • ケアマネジャーの仕事内容ってなに?
  • ケアマネジャーって今後どうなっていくの?

今回は、以上のような疑問に介護支援専門員の資格を持ち、実際にケアマネジャーの仕事経験もある筆者がお答えしていきます。

それでは、さっそく本題に入っていきましょう。

ケアマネジャーには主に2つの働き方がある

ケアマネジャーには、主に以下の2つの働き方があります。

  • 居宅ケアマネ
  • 施設ケアマネ

ここではそれぞれの役割と、ケアマネジャーが活躍できる職場を紹介していきます。基本的な仕事内容は同じですが、職場によって役割が変わるので、ぜひ参考にしてみてください。

居宅ケアマネ

居宅ケアマネは、居宅介護支援事業所に在籍しており、自宅で介護を受けながら生活する方を対象にケアマネジメントを展開します。

具体的には、以下のような仕事の流れです。

  1. 利用者の自宅に訪問
  2. 利用者の現状やニーズを確認(アセスメント)
  3. アセスメントをもとにケアプラン作成
  4. ケアプラン上にある関係各所と連絡調整
  5. サービス担当者会議を開催し多職種でケアプランを共有
  6. 利用者の経過観察(モニタリング)月1回程度

モニタリングで状態変化等あれば、ケアプラン内容の変更をすることもあります。

またサービス担当者会議では、司会としてその場をまとめる力も求められ、さまざまなスキルが求められる仕事と言えるでしょう。

施設ケアマネ

施設ケアマネは、介護老人福祉施設やグループホームなど、施設で生活する利用者を対象にケアマネジメントを展開します。

基本的な仕事の流れは、居宅ケアマネと変わりありませんが、担当する利用者の数は居宅よりも多い傾向にあります。具体的には、居宅ケアマネの場合は、利用者35人に対して1人が担当し、施設ケアマネの場合は、利用者100人に対して1人で対応するといった形です。

参考:厚生労働省「居宅介護支援」
参考:厚生労働省「介護老人福祉施設」

筆者の場合は、施設でのケアマネ経験があり、約80名の利用者に対して複数のケアマネで対応していたので、20名程度でした。ただ、施設ケアマネの場合は、現場の介護職と兼務する場合があり、筆者も介護リーダー兼ケアマネといった形で、現場の介護職もやっていました。

ケアマネジャーが活躍できる職場

ケアマネジャーが活躍できる場所は、以下のような職場です。

  • 居宅介護支援事業所
  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護付き有料老人ホーム
  • グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
  • 地域包括支援センター
  • ケアマネ講座の講師や相談窓口の担当

などがあります。

地域包括支援センターで働く場合は、介護予防を目的としたケアマネジメントが求められ、主任介護支援専門員の資格が必要になります。

サービス利用者を直接対応する以外に、ケアマネの資格取得講座の講師や、自治体が実施している介護保険などに関する相談窓口の担当者など、介護現場以外にも活躍できる場所があります。

ケアマネジャーの仕事内容とは?

ケアマネジャーの主な仕事内容は、以下の7つです。

  • ケアプランの作成
  • モニタリング
  • サービス担当者会議
  • 介護給付費の管理
  • 要介護認定の申請代行
  • 社会資源を見つけてくる
  • 施設ケアマネは介護職と兼務の場合もある

それでは、一つずつ解説していきます。

ケアプランの作成

利用者が介護サービスを受けるためには「ケアプラン」が必要です。そして、このケアプラン作成するのがケアマネジャーになります。

ケアマネジャーは、ケアプラン作成前に利用者と面談し、その方のニーズや解決すべき課題を導き出し、目標達成に必要なケア内容をケアプランに反映していきます。

モニタリング

ケアプラン作成後、サービスが提供開始されたら、その後の経過を定期的に確認します。この一連の流れをモニタリングと言い、利用者の状態に変化があった場合や、目標が達成された場合は、ケアプランの見直しが必要になります。

何よりも、利用者のより良い生活の実現に何が必要かを考え、ケアプランを通じてサービスを提供するのがケアマネジャーの重要な役割です。

サービス担当者会議

ケアプランを作成した際や、モニタリングによる変更後は、ケアプランのサービスに関わってる専門職を集めて、サービス担当者会議を開催します。ケアマネジャーは、この会議で司会進行を務め、ケアプランの内容を全体で共有していきます。

サービス担当者会議では、実際にサービスを提供してる専門職の意見を聞ける貴重な機会なので、ケアマネジャーは全体の意見をまとめ、ケアプランの内容を再度検討する場合もあります。

介護給付費の管理

介護保険サービスを利用する場合は、介護給付費の管理が必要です。

筆者のような施設ケアマネの場合は、事務職の方がやっていることが多かったですが、居宅ケアマネの場合が基本自分でする必要があります。

仕事の流れを簡単に言うと、以下のような流れです。

  • サービス利用票およびサービス利用票別表の作成と交付
  • サービス提供票およびサービス提供票別表の作成と交付
  • 給付管理票を作成し、国民健康保険団体連合会(通称:国保連)へ送付する

一見難しそうですが、手順さえ覚えれば誰でもできる内容なので大丈夫でしょう。

要介護認定の申請代行

ケアマネジャーは、利用者に代わって「要介護認定の申請」を行うことがあります。

介護が必要な状態であるにもかかわらず、要介護認定を受けていない場合は、介護サービスを受けられません。そのような場合に、ケアマネジャーが申請を代行します。主に、居宅介護支援事業所や地域包括支援センターで依頼を受けることが多いです。

筆者は施設ケアマネで、要介護認定の更新代行をした経験がありますが、特に難しことはなく必要書類を集めて提出するだけなので、手順さえ覚えれば誰でもできます。

社会資源を見つけてくる

ケアマネジャーは、普段からどういった社会資源(ケアプランに活かせるサービス)があるかをリサーチしておくことが大切です。なぜなら、ケアプランごとに利用者の課題解決や、目標達成に必要なサービスを設定する必要があるからです。

そのため、さまざまな事業所とつながりを持っておけば、思わぬタイミングで役立つことがあります。ケアプラン作成のたびにリサーチするよりも、普段からアンテナを張り自分からつながりを作る姿勢が必要と言えるでしょう。

施設ケアマネは介護職と兼務の場合もある

前述の筆者の経験からも分かるように、施設ケアマネの場合は現場の介護職と兼務することがあります。筆者の場合は、介護リーダーとしてシフトの作成や、現場の夜勤もしていたので、正直忙しかった記憶があります。

実際に兼務を依頼された場合は、まずやってみて難しそうと感じたら、早めに上司に相談することをおすすめします。無理して継続し、心身のバランスを崩すことだけは避けましょう。

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ケアマネジャーのやりがいとは?

ケアマネジャーのやりがいは、以下の3つです。

  • 利用者や家族から感謝される
  • ケアプランによって利用者の状態が改善する
  • さらなるキャリアアップにつながる

それでは、一つずつ解説します。

利用者や家族から感謝される

ケアプランを作成しないと介護保険サービスを利用することができません。そのため、利用者や家族からすると、ケアプランを作れるケアマネジャーは、救いの手を差し伸べてくれる恩人に見えるでしょう。

親身になって悩みを聞いてくれて、目標達成のために一緒に考えてくれる姿に、利用者や家族から感謝の言葉をかけられることも少なくありません。

人のために仕事ができているという実感は、ケアマネジャーのやりがいの一つと言えるでしょう。

ケアプランによって利用者の状態が改善する

ケアマネジャーが考えたケアプランによって、利用者の状態が改善することがあります。例えば、トイレに行きたくても行けなかった利用者が、懸命のリハビリによってトイレに行けるようになることもあります。

ケアマネジャーは実際にサービスを提供しているわけではありませんが、状態が改善したということは、適切なサービスを選択し提供できた証拠でもあります。

また、適切なサービスを選択したことで、実際にサービスを提供する介護職などから「あのケアプラン良いですよね。〇〇さんも日に日に良くなってますよ」といった言葉を聞くこともあり、大きなやりがいを感じる瞬間です。

さらなるキャリアアップにつながる

ケアマネジャーを経験することは、その後のキャリアアップにつながります。

筆者の経験で言うと、ケアマネジャーの経験があったからこそ、転職先で管理職として採用されましたし、現場の介護職を続けるにしても、ケアマネジャーの経験はケアの向上に間違いなくつながっています。

また、体力的に現場の介護職が難しくなった場合でも、ケアマネジャーのなることで身体的な負担を少なくして、介護の仕事を続けることができます。

ケアマネジャーの将来性

今後、高齢化はさらに進むことが予想されます。そういった中で、ケアマネジャーの仕事の需要も高まっていくでしょう。

以下、介護支援専門員(ケアマネジャー)の給与の変化を表したものです。

引用:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」

現場の介護職よりも、平均給与が4万円以上高く、看護師やリハビリ職に迫る勢いです。もちろん上記は平均で、実際は職場によって異なります。

それでも、ケアマネジャーの待遇はさらに良くなっていくことを考えると、介護業界で安定した給与をもらえる将来性のある仕事と言えるでしょう。

なお、ケアマネジャーになりたいと考えている人は、以下の記事が参考になるので、ぜひご覧ください。

まとめ

今回は、以下のケアマネジャーの仕事内容を紹介しました。

  • ケアプランの作成
  • モニタリング
  • サービス担当者会議
  • 介護給付費の管理
  • 要介護認定の申請代行
  • 社会資源を見つけてくる
  • 施設ケアマネは介護職と兼務の場合もある

また、ケアマネジャーのやりがいや将来性についても、実際にケアマネジャーを経験した筆者の意見とともに解説させていただきました。

これからケアマネジャーを目指している方や興味ある方は、本記事を参考にチャレンジしてみてください。

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投稿者プロフィール

津島武志
津島武志
介護業界17年目の現役介護職。介護リーダーや管理職の経験もあり、現在は地方法人のグループホームに勤務。介護職の傍ら、介護士の転職メディア「介護士の転職コンパス」の運営や、複数のメディア(介護に限らず)でWebライターとしても活動中。主な保有資格は、介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士など。

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