冬の感染症を予防する|介護事業所&施設向け種類別感染対策まとめ

訪問介護

冬は特に感染症が怖い季節です。今年は新型コロナウイルスが第5類になって初めての冬。
マスク生活で免疫力が低下していたり、感染症に対する緊張感が緩んでしまっていることから、インフルエンザとコロナウイルスのW感染や、夏に流行することの多いプール熱の流行も多くなっています。

この記事では、介護事業所や施設で気を付けたい感染症について、対策も含めて詳しくまとめています。

介護事業所や施設では予防接種や消毒など、感染症対策にはかなり気を付けていることと思いますが、目に見えないウイルス。完全に防ぎきるのは難しいものです。

どのウイルスも、健康な大人であれば軽症で済むことが多いですが、高齢者は症状が重くなったり、感染症が別のリスクを招くこともあり注意が必要です。

ここでは、介護事業所や施設で気を付けたい冬の感染症に焦点を絞ってみていきましょう。

ノロウイルス

毎年冬になると特に多くなるのがノロウイルスです。ワクチンや特効薬がなく、感染力が非常に高いのが特徴です。
■症状:嘔吐や下痢、腹痛など
■潜伏期間:1~2日
■感染経路:経口感染(食品、糞口)

インフルエンザ

毎年11月下旬から12月上旬頃に流行が始まり、翌1~3月頃に患者数がピークとなる感染症です。
■症状:通常38℃以上の高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛など
■潜伏期間:1~5日
■感染経路:飛沫感染、接触感染

コロナウイルス

2019年に初めて国内で感染者が確認された感染症です。人によって症状の出かたが異なりますが、普通の風邪症状と見分けがつかないことがあります。味覚や嗅覚障害が出ることがあるのが特徴です。

■症状:通常38℃以上の高熱、咳、全身倦怠感、頭痛、味覚・嗅覚障害など
■潜伏期間:2~7日
■感染経路:空気感染、飛沫感染、接触感染

では、それぞれに効果のある感染症対策をみていきましょう。コロナウイルスやインフルエンザにはアルコールが効果的であるとされていますが、なんでも「アルコール」でいいというわけにはいきません。

また、手などの消毒と床や手すりなどのモノの消毒は分けて使ったほうが良い場合もあります。

ノロウイルスにおすすめの消毒剤・グッズ

ノロウイルスはノンエンベロープウイルスといい、アルコール消毒は効果がありません。
もちろん、こまめな手洗いが基本ですが、手指の消毒にはノンエンベロープウイルスに効果のあるもの、また、床やトイレなどの消毒には次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)が効果的です。

■感染予防対策
マスクの使用
小まめな手洗い
ノンエンベロープウイルスに効果のある消毒剤の使用

■感染者への対策
感染者の排出する菌への接触をしないことが必須。嘔吐物や排せつ物などがある場合、速やかに適切に処理し、次亜塩素酸ナトリウムなどでしっかりと消毒を行う。

■おすすめの消毒剤
ウィルステラVH(手指消毒剤)
ウィルステラVHジェル(手指消毒剤)
ピューラックス(次亜塩素酸ナトリウム製剤)
ノロVウェットシート
ジアクリーン
除菌ワイパー
ジアクロス
除菌洗浄剤(医療施設用泡洗浄)
次亜塩素酸系除菌剤
嘔吐物凝固処理剤 カタヅケ隊
汚物の処理キット
感染症対策ガウンセット

インフルエンザ・コロナウイルスにおすすめの消毒剤・グッズ

インフルエンザ・コロナウイルスはアルコール消毒が効果的です。
また、空気の乾燥や温度もウイルス感染が起こりやすい環境を引き起こしてしまいますので注意が必要です。

■感染予防対策
マスクの使用
小まめな手洗い
アルコールなど消毒剤の使用

■感染者への対策
空気感染、飛沫感染もあるため、一緒に食事をしない、できれば部屋を隔離するなどの対策が効果的です。また、定期的に部屋の空気を入れ替えましょう。

■おすすめの消毒剤
アルボナース(手指消毒剤)
ジョーピュレル(手指消毒剤)
ジャンボウェット消毒タオル
除菌ワイパー
N95マスク
快適フェイスマスク
デジタル温湿度計

感染症は利用者に対してももちろんリスクですが、介護従事者にとっても大きなリスクです。
適切な予防と感染対策を行えば、感染のリスクを下げることができます。

それぞれのウイルスの性質を正しく知り、適切な対策を行って、元気に冬を乗り切りましょう!

ここでは、事例をいくつか紹介します。施設や事業所、ご利用者の状態によって状況が異なるとは思いますが、冬の感染症対策に役立ててください。

ここからはいくつか事例を紹介します。

新型コロナ緊急事態制限の中で、利用者に熱発者が出ました。熱発者は検査の結果、新型コロナでした。
グループホームは2階建ての2ユニット。看護職員の2名がかかりつけ医と連携し、家族への連絡はケアマネが行いました。

  1. ユニット間の移動・接触は禁止。上下の階の共有スペースの廃止。(職員出入口や下駄箱、タイムレコーダー等の使用等)1階職員は裏の非常口より出入りした。
  2. 当該感染者の自室での療養とケアにかかる職員を固定化。他利用者のケアをする者と当該感染者のケアをする者を当日内で区分けした。夜勤時は感染者の居室をレッドゾーンとして、ガウン・ゴーグル・手袋・マスク・上履きはレッドゾーン内で着脱。
  3. 居室の廊下側にアルコール消毒手指用と全身用噴霧器を置き、他利用者が誤飲等しないように設置場所を高めにした。
  4. 使用後の感染症グッズは居室内でまとめ、アルコール消毒のもと5日間は、居室外のベランダで保管。6日目にゴミ集積場へ。
  5. 法人の本部、保健所、保険者に連絡。(もちろん、感染した利用者の家族やかかりつけ医には速やかに連絡済み)その後は、保健所の指示に従いながら上記感染対策を続けた。

すぐにもう1名の感染者が出ましたが、その後は職員にも他利用者にも感染者は出ず、当該利用者2名もそれぞれ約10日間程度の療養で症状は治まりました。

この対策は、ユニット型の特養や有料老人ホーム等でも使えます。

認知症の方が多い施設で感染症が出ると、BPSD(行動・心理症状)が大きくなる可能性があります。職員が慌てることなく落ち着いていつも通りにケアを行うことが特に重要です。

また、新型コロナに関して行っている感染対策や蔓延防止の研修等は、大変役に立ちました。目的や意味を理解したうえで職員が実行できるようになります。

コロナの陽性となり、デイサービスやショートステイは利用できないものの、症状の程度から入院は必要ないと言われた利用者。

認知症で要介護2の80代独居女性。家族は遠方に娘がいましたが、緊急事態宣伝中で動けません。八方塞がりの中、たった一か所受けてくれた訪問介護事業所。服薬管理と食事の管理、清潔保持等の健康観察です。認知症がありましたが徘徊や興奮などのBPSDが無かったため、熱さえ下がれば何とか乗り切れると、主治医の助言を受けながら事業所の新型コロナ感染対策を確認、強化しました。

  1. 室内でのマスク、ゴーグル、グローブ、ガウン着用。
  2. 検温と血中酸素濃度は訪問時毎にメールにて主治医とケアマネへ報告(メールは保存が可能なため)。主治医はバイタル変調時には往診。ケアマネは各関係者へ連絡。
  3. 担当職員は当日1名で3回の訪問に対応。
  4. 職員の検査は毎日実施。
  5. 玄関にアルコール消毒液を設置。

主治医がバックアップしてくれたのが一番の力でしたが、当の利用者本人があまり不安を感じずにヘルパーさん達を受け入れてくれたことで、この利用者の生活を守ることができたと思っています。

従来型の特養でノロウィルスが蔓延したことがあります。

従来型は、一部屋に4~5人の利用者が生活されているため、蔓延させないためには罹患者を随時集めて健康な人と隔離することが最優先でした。

対策は以下の通りです。

  1. コロナと同様の衛生対策と併せて、廃棄物の処理や食器等は紙食器などの廃棄できるものを使った。
  2. 一度罹患者に使ったものや衛生道具は使い捨てにすべて変更し、廃棄するときは次亜塩素酸ナトリウムで消毒。すべて戸外において5日間以上の間隔を置いて収集所へ持っていった。
  3. 保健所に報告連絡し、指示に従った。

ノロウィルス感染症は、吐物や排泄物等からの感染が主になります。通常も衛生対策はかなり行っていますが、それでも残ったウィルスが乾燥して浮遊すると感染してしまう、非常に感染力の高い厄介な感染症です。

静養室から始まって、最終的には合計4部屋が感染症部屋となりましたが、それ以降の感染は食い止めることができました。

冬場は、職員からの感染も多い感染症です。日々の注意と自己管理が必要です。

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