- 介護士とは結婚しないほうがいいの?
- 介護士と結婚すると苦労するの?
- 介護士と結婚するメリットってあるの?
今回は、以上のような疑問に、現役介護士であり結婚15年目の筆者(36歳男性)が、介護士の結婚事情を包み隠さず紹介していきます。
介護士と結婚することにはメリットも多くあるので、ぜひ本記事を参考にあなたが結婚相手を選ぶ際の参考にしてみてください。
男性介護士は結婚できないって本当?リアルな実情を紹介
男性介護士は結婚できないというのは本当なのでしょうか。
介護現場で16年間働いている筆者の経験上、多くの男性介護士は既婚者でした。理由は、介護業界で働く人の特徴にあると感じました。
以下、厚生労働省が公表している介護職の男女比です。
正規職員(男性) | 正規職員(女性) | 非正規職員(男性) | 非正規職員(女性) | |
介護職員 | 32.6% | 67.4% | 14.0% | 86.0% |
訪問介護員 | 23.7% | 76.3% | 4.1% | 95.9% |
以上の結果からも分かるように、介護業界は全体の7割以上が女性で構成されており、訪問介護員の非正規職員に限ると、男性はたったの4%という結果が出ています。
こういった男女比の割合の特徴から、男性にとっては職場が出会いの場となりやすく、職場恋愛から結婚に至るケースも多くあるのが現状です。また、介護士と看護師といった、同じ職場での異なる職種で結婚されている場合もあります。
男性介護士が結婚できないと言われている理由
ではなぜ、男性介護士は結婚できないと言われているのでしょうか。その理由は、以下の3つです。
- 年収が全産業の平均以下
- 不規則勤務でプライベートの時間が取りにくい
- 離職率が高く将来が不安定
それでは一つずつ解説していきます。
年収が全産業の平均以下
介護職員の平均給与は「323,190円」で、年収にすると「3,878,280円」です。これは全産業の平均年収「433万円」を大きく下回っています。
参考:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
参考:厚生労働省「平均給与の推移」
もちろん平均であるため、これ以上の給与で働けている介護士もいますが、割合としては多くの介護士が日本全体の平均給与を下回っていることは確かです。
このような現状が、経済的に不安定なイメージを与えるため、男性介護士は結婚できないと言われているのでしょう。
不規則な勤務形態でプライベートの時間が取りにくい
介護士の仕事はシフト制で、早番、遅番、夜勤などの組み合わせにより、不規則な勤務形態になっています。
以下は、筆者である私の先月のシフトです。(2022年10月)
1日(土) | 早番(7:50〜17:00) |
2日(日) | 遅番(8:50〜18:00) |
3日(月) | 公休 |
4日(火) | 夜勤入り(16:20〜) |
5日(水) | 夜勤明け(〜9:30 |
6日(木) | 公休 |
7日(金) | 早番 |
8日(土) | 日勤(8:20〜17:30) |
9日(日) | 早番 |
10日(月) | 公休 |
以上のように、土日や祝日関係なく、いろいろな勤務時間で働いています。そのため、パートナーが一般会社員の場合は、予定が合わせにくく、お互いプライベートの時間を共有する機会が持ちにくいというデメリットがあります。
このような不規則な勤務形態が、介護士は結婚しても上手く続かないのではという考えに発展しているのでしょう。
離職率が高く将来が不安定
介護職の離職率は「17.8%」で、全産業の「16.0%」よりも高い傾向にあります。
介護士は長く続かない=不安定で将来が不安というイメージは少なからずあるようです。仕事が長続きしないということは、パートナーにとっては経済的不安だけでなく、精神的にも多くの負担がかかってくるでしょう。
しかし私自身、介護業界で複数回の転職をしている身としては、離職は必ずしもマイナスとは思いません。離職しているということは転職している証拠でもあり、キャリアアップを目指して職場を変えているという見方もできます。
介護業界は需要が高く、たとえ今の職場を辞めたとしてもすぐに新しい職場が見つかるというメリットがあります。離職率が高い=不安定とは一概には言えないでしょう。
男性介護士は実はモテる?その理由は?
介護士の男性は結婚できないというイメージがある方も多いと思いますが、実は介護士はモテる職業とも言えます。
ここでは、介護士の男性が実はモテる理由を、介護士に隠された人間性の部分を紐解きながら、分かりやすく解説していきます。
物腰が柔らかく優しい
介護士の男性は、介護という女性が多い職場で働いているため、物腰が柔らかくなりやすい傾向にあります。また、利用者さんも女性が多く、話しかける際に柔らかい口調で話しかける癖がつくことで、優しい印象になるようです。
私自身も、介護士を始めてから口調が穏やかになりましたし、相手との距離感や反応を見ながらコミュニケーションを取れるようになりました。
男性介護士の穏やかで優しい雰囲気が、女性にとっては安心感につながり、男性介護士が魅力的に感じるようになるのでしょう。
家事や育児に協力的
介護の仕事は、利用者さんに対する介助以外に、掃除や洗濯、施設によっては料理することもあります。そのため、家事に対して抵抗がない男性が多く、付き合ったり結婚しても家事や育児に積極的に参加してくれます。
もちろん全ての男性介護士が、家事や育児に協力的だとは言えませんが、普段から身の回りの細かいことに気を配っているため、家庭でも介護士としての経験を活かしてくれることが期待できます。
家事や育児を率先してしてくれることは、パートナーにとっては非常に魅力的なメリットと言えるでしょう。
愚痴や不満を聴いてくれる
介護士は、利用者さんの不安な気持ちを聴いてあげるのも仕事の一つです。人間は相談する際に、相手に対して100%解決策を求めているのではなく、「話を聴いてほしい」という思いが強い場合もあります。
普段から利用者さんの不安な気持ちに寄り添いながら、相槌をうったりしながら聴いているため、聴くスキルというものが養われています。
もしパートナーに嫌なことがあっても、帰ってただ話を聴いてくれる人がいるだけで安心するものです。職場でも、男性介護士の方が、女性職員の愚痴や不満を聴いている姿をよく見かけますよ。
清潔感のある身だしなみ
介護士は利用者さんと肌が触れ合う場面が多くあり、身だしなみに気を遣ってる方が多い傾向です。見た目だけでなく、汗やタバコの匂いといったエチケット面にも気を付けています。
また笑顔で利用者さんに接することが多く、表情が豊かになる効果も期待できます。
外見が自分の好みであっても、清潔感のない身だしなみだと、人は好感を抱きにくいと言われています。日頃から清潔感を気にする男性介護士さんは、モテる男の基本条件を満たしていると言えるでしょう。
介護は力仕事で体力がある
介護の仕事は肉体労働でもあり、体力の必要な仕事です。体力がなかった人でも、介護士を始めて体力がついたという人は多くいます。
体力があるということは男性として魅力的ですし、女性では難しい力仕事を率先してやってくれる姿に、グッと引き寄せられる人もいるでしょう。
体が大きく介助が大変な利用者さんの場合、女性一人だと難しいのが現状です。そういった時に、体力ある男性介護士は非常に大きな存在になります。女性が多い職場で貴重な男性介護士は、モテやすい環境にいると言えるでしょう。
男性介護士との結婚をおすすめする根拠を紹介
ここからは、現役介護士の筆者が、男性介護士との結婚をおすすめする根拠を紹介していきます。
前述のデメリットが考え方を変えるだけでメリットにもなるという点も、理解していただきなら読んでいただければと思います。
あなたが抱いている介護士のイメージが変わっていくでしょう。
職場恋愛から結婚に発展しやすい
まず1つ目が「職場恋愛から結婚に発展しやすい」という点です。
男性目線になってしまいますが、圧倒的に女性比率が高い介護現場では、男性にとって出会いが豊富な職場と言えます。
さらに介護の仕事では、利用者さんの介助中に職員同士の距離も近くなります。日々協力して仕事する中で、体だけでなく心の距離も近くなり、恋愛感情が芽生えることも少なくありません。
介護現場を、新しい出会いの場として期待するのも悪くないでしょう。
土日祝より平日休みがいい
先ほど土日祝日が休めないことが、結婚できない理由であると述べましたが、考え方を変えてプラスに捉えることもできます。
土日や祝日であれば、どこに出かけても人が多く混んでいます。しかし、介護士であれば平日が休みなので、人が少なくストレスなく出かけることができます。
一般の会社員の方であれば予定を合わせるのは難しいですが、介護以外でも平日休みの仕事はあるので、そういった職業の方は、介護士と結婚することで平日の空いてる時間に心置きなく外出を楽しめるでしょう。
ちなみに、介護士は月に数回希望の休むを取ることができるので、パートナーの連休に合わせれば、平日料金でお得に旅行できるメリットもありますよ。
仕事に困ることがない
介護士は、離職率が高く不安定なのではというイメージをお伝えした際に、需要が高く新しい職場を見つけやすという特徴もあることに触れました。
介護士としての現場経験があれば、どこの介護施設からも必要とされ仕事に困ることはないでしょう。さらに、介護福祉士の資格を持っていれば、より好条件で採用される確率も上がります。
パートナーが仕事を失うリスクが低いということは、結婚生活をする上での精神的安定につながるでしょう。
実は徐々に増えてる介護士の給料
介護士の給料は年々増加しています。
以下のデータからも、1年間で平均1万円弱アップしています。
令和3年9月 | 令和2年9月 | |
介護職の月給 | 323,190円 | 315,410円 |
参考:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
大幅なアップは見込めませんが、さまざまな処遇改善加算によって、緩やかですが確実に介護士の給料が上がっています。決して贅沢はできませんが、現状よりも下がる確率が少ないことは、結婚生活を送る上で精神的安定をもたらすでしょう。
キャリアアップの選択肢が豊富
介護士は現場職以外にも、さまざまなキャリアアップが見込めます。以下、介護士のキャリアアップの例です。
- 介護主任(介護リーダー)
- 介護支援専門員(ケアマネージャー)
- 生活相談員
- 管理職(施設長)
- エリアマネージャー
- 別部署(人事課や教育課)への異動など
介護士は肉体労働で、腰痛などが原因で働けなくなる場合もあります。そんな時に、以上のようなキャリアの選択肢があることで、職を失うリスクを軽減できます。
筆者である私も、介護リーダーやケアマネージャー、管理職などを経験しながらキャリアアップしてきました。それと同時に、収入も上がったことでパートナーの幸せにもつながっています。
男性介護士で実際に結婚されてる夫婦の話
ここまで、男性介護士が結婚できないと思われてる理由や、介護士と結婚するメリットなどを解説してきました。
ここからは、実際に介護士として働きながら結婚している方々の実情を紹介していきます。私がこれまで一緒に働いた方々の話なので、あなたの参考になれば幸いです。
介護士と異業種の夫婦の場合
はじめに紹介するのは、以下の組み合わせのご夫婦です。
- 夫:介護士・30代
- 妻:看護師・30代
出会いのきっかけは病院系列の介護施設だったようです。介護と看護で異なる仕事内容ですが、共感できる部分もありお互いの仕事を理解しやすいメリットがあります。
また、介護士側としては看護師の専門的な医療知識を学ぶことができたり、看護師から見た介護士の課題などを話すことで、スキルアップにつながっているという意見がありました。
その他、介護士とリハビリ職、介護士と栄養士など、介護業界内での異業種結婚の例は多くあるようです。
介護士同士の夫婦の場合
続いて紹介するのは、介護士同士のご夫婦です。
- 夫:介護士・30代
- 妻:介護士・20代
ちなみにこの方々は、私の前職場で一緒に働いており、職場内結婚でした。夫婦が同じ施設で働いているというのは、比較的珍しい事例です。(職場結婚した方の多くは、寿退社や転職、他の部署へ異動するのが一般的)
職場環境が良く周囲も気を遣うことなく、このご夫婦には接していました。
介護士同士の夫婦のメリットは、なんと言ってもお互いの仕事に対する理解でしょう。愚痴や不満を共感し合えるのは、長い結婚生活を送る上で大切です。
その他、仕事中に旦那様が早番で、奥様が遅番だった日に「保育園の帰りに〇〇も買ってきてね」「今日晩ごはん何にしよっか?」など、気軽に連絡や相談していたのは印象的でした。
結婚してから介護士になった筆者の場合
最後は筆者のパターンです。
- 夫(私):介護士・30代
- 妻:専業主婦(元々は映像関係の仕事)・30代
私の妻は、介護に関する知識はまったくなく、興味関心もほぼないと言っていいでしょう。そのため、私の仕事への共感はないですが、家で介護に関する話をまったくしないのが、私にとってはとても心地良く感じています。
介護の仕事は嫌いではありませんが、家に帰ってまで仕事の話をするのは正直好きではありません。パートナーが介護とまったく関係ない仕事をしている場合は、家では仕事のことを忘れられるというメリットが期待できるでしょう。
結婚は職業ではなくその人の人柄を見極めよう
本記事では、介護士の結婚事情についてお話ししてきました。その中で、介護士との結婚をおすすめする理由も紹介しました。しかし、すべての介護士が今回紹介したような人柄とは限りません。
当たり前かもしれませんが、結婚相手を選ぶ際は職業ではなく、その人の人柄をしっかりと見極めましょう。
介護士だから相性が合う保証もありませんし、逆に介護士だから合わないということもありません。
本記事の内容を「介護士はこんな人が多い傾向にあるのかな」という程度で参考にしてもらえればと思います。
まとめ
今回は「男性介護士は結婚できないの?」というテーマで、介護士の結婚事情について解説しました。
介護士は、世間が抱いているようなマイナスなイメージだけでなく、プラスな面も多く持っています。結婚において重要な収入面やキャリアのことなど、外からでは分かりにくいことも紹介させていただきました。
介護現場で働いている方や、パートナーが介護関係の仕事をしている方は、ぜひ本記事を参考に、人生において重要な結婚生活へのステップに活かしてみてください。
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投稿者プロフィール
- 介護業界17年目の現役介護職。介護リーダーや管理職の経験もあり、現在は地方法人のグループホームに勤務。介護職の傍ら、介護士の転職メディア「介護士の転職コンパス」の運営や、複数のメディア(介護に限らず)でWebライターとしても活動中。主な保有資格は、介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士など。
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